2022年8月29日月曜日

太極拳は趣味ではありません

今朝、稽古の休憩時間に雑談している時、
「私の趣味はバイクと楽器とコーヒー」だと話すと、
Tさんが「武術は?」と聞いてきました。

その場では「武術は当然」と答えましたが、
実際、私にとって武術は趣味ではありません。

武術は自分にとって人生であり
生き方そのものなんです。

趣味というのはあくまでも空いた時間にやるものであって、
私にとって武術は生活そのものです。

料理をしてる時
掃除をしてる時
風呂に入っている時
外を出歩いている時

すべて武術です。

因みにバイクや楽器も武術です。
なぜなら丹田を使ってバイクを操り、丹田を使って楽器を演奏するからです。

私は来年還暦になります。

バイクに関しては遅咲きですが、今からレーサーになれるでしょうか?
楽器ならどうでしょう?

始めるのに遅いということはないと思います。
しかし、これらでプロになれる可能性はかなり低いといえます。

では太極拳ならどうでしょう?

太極拳は年齢関係ありません。
修行を積めば積むほど神のような力が得られます。
90になっても、100になっても。

これこそが残された人生を太極拳に掛けようと思う理由です。

バイクや楽器は太極拳の基本があればそれなりにこなせるようになります。
全部、生きてくるのです。

だから人生まるごと最高に楽しくなるのです。

太極拳は50代からと言われています。
これからが人生の始まりなんです。


楼膝拗歩の秘密

楼膝拗歩(ろうしつようほ)は太極拳では基本かつ汎用性の高い技のひとつです。

この楼膝拗歩についてですが、
何度指導しても打つ前に掌を前に向けてしまう会員さんが多いです。

そもそもなぜ打つ前に掌を前に向けてはいけないのでしょう?

太極拳という武術はいかに敵を欺くかが鍵となります。
いわば手の内を見せてはいけないのです。

勘のいい人ならもうお気づきですね?

ひとつ例をあげるなら、投手が変化球を投げる時、球の握り方をグラブで隠しますよね?

それだけではありません。
掌を前に向けない理由はまだまだあります。

気の流れる方向
力学的な理由
呼吸との関係
丹田との関係

等々。

楼膝拗歩に限らず、套路の順番を覚えたら、今度は一式一式丁寧にやることが大事です。
そして、その動作の意味を探求することも大事です。

私が最初、太極拳に魅力を感じたのは、その動きが闘っているようにみえないところでした。
それこそが太極拳で最も重要なことなのです。

#楼膝拗歩 #楊式太極拳 #呼吸 #丹田 #気の流れ



2022年8月19日金曜日

考えない

最近小人数が続いてますが、
その分一人一人時間を掛けて指導出来るのでこの機会にしっかり力をつけて欲しいと思うところです。

昨日から今日に掛けて共通して感じたことは、動きがバラバラになってしまうことです。

初心者であれば仕方ありません。
しかし5年以上やっていてもそうなるのは、太極拳の動き方が理解できておらず、それを実践出来ていないからです。
又、考え過ぎてしまって深みに嵌ってしまうケースもあります。

太極拳に限らずなんでもそうですが、考えすぎると人間動きが硬くなるんです。
動きがきれいな人は何も考えていません。
ただただその瞬間を楽しんでいるだけです。

私の場合、
動かない時は何も考えない、
動く時も何も考えない、
当然、いなす時も、打つ時も何も考えません。

立禅をする理由は瞑想するためです。
いわゆる無になることです。
思考回路のスイッチを切りましょう。

立禅の時、雑念や妄想に囚われていませんか?
立禅でそうなってしまうのであれば套路で無になるのは難しいでしょう。

「手本を見せるからよく見てて」

私はそう言って、頭のスイッチを切ります。
そして体に任せます。

いいところを見せようとか、気負ったりとか、
そんなこと考えると大抵ヘマをします。

何も考えない。
呼吸で動く。
それだけで動きはずっと良くなります。

今日限り考えるのをやめましょう。



2022年8月9日火曜日

ストレッチはやるな!

いきなり乱暴なタイトルになりましたが、
そもそも圧腿(あったい)の目的はなんでしょう?

ある会員さんから「前は稽古の時してましたよね?」と言われたので、
あえてこの話題に触れてみました。

因みに圧腿とは股関節を柔らかくするためのストレッチです。

結論から言えば不要です。

私は鍛錬する時、圧腿は一切やりません。
同じ時間があるなら站椿功か套路に時間を掛けます。
套路と言っても形を整える方ではなく氣を練る方です。

競技に出ていた時は、ある選手からすすめられ毎日実践し、
確かに足が上がるようになりました。

しかしそれだけです。

そもそも膝が伸びた脚は、武術的視点から見ると技を掛けられやすい状態となります。
技がきれいに決まると、関節が外れその時点から立てなくなるほど危険な技です。
だから当会では膝を伸ばすことを禁止しています。

圧腿の目的は股関節を柔らかくすることです。
しかし、この「やわらかい」が伝統では違うのです。
伝統でのやわらかいは力みのない状態であり、競技で言う柔らかいは可動域の広さを指しています。

ではこの可動域を大きくするために圧腿は有効でしょうか。
答えは有効でもあれば有効ではないとも言えます。

なぜなら必要ないからです。

股関節の可動域を広げるために無理やり筋肉や筋を引っ張るのではなく、
逆にゆるめるのです。

もしそれでも股関節の可動域が狭いと感じるのであれば、それは心の問題です。
心が固くなっているから可動域が狭くなるのです。

心と体は同一です。
だからほとんどのことはイメージ通り(想像以内)に起きます。
「無理」と思ってしまうと無理な結果になるのは当然ですね。

ではどうすればいいでしょう?
もうわかりますよね?

因みに私にとっての分脚や踵脚などの技は足の発勁動作であり、
下勢などの低い動作では敵の視界から消えることをイメージして動いています。

その動作の目的は技であり、動作ではありません。
「足を上げる」とか「低い姿勢をとる」というのは目的ではなく、
目的のための動作に過ぎないということです。

今一度、自分の練習法を見直してみることをおすすめします。

意味のない練習にどれだけ時間を掛けても武の功夫は身に尽きません。
時間を掛けることも大事ですが、毎日なにをやるか?が一番大事なのです。

今行っている練習を10年続けると何が出来るようになるでしょう?
時間は取り戻すことが出来ません。

だから「今」何をやるかが大事なのです。



#圧腿 #ストレッチ #分脚 #踵脚 #下勢