2016年7月22日金曜日

楊式太極拳は108式?37式?

伝統楊式太極拳の呼び方は様々。

因みに伝統楊式太極拳と楊式太極拳も異なる。

単に楊式太極拳と呼ぶものは、制定された24式、40式、48式、88式も含まれるからだ。
24式は主に検定用として用いられ、40式、48式、88式は競技用として用いられる。

そして、伝統楊式太極拳の呼び方も、楊家太極拳、楊氏太極拳とも呼ばれる。

そもそも伝統楊式太極拳は創始者である楊露禅(ようろぜん)が編み出したもの。
楊家といえば楊露禅の家族という意味になるだろうし、
楊氏といえば楊露禅そのものを指す意味になるだろう。

他にも鄭氏太極拳(ていしたいきょくけん)というものもある。
これも楊式太極拳の部類に属する。

鄭氏太極拳は楊式太極拳第3代伝人である楊澄甫老師の弟子鄭曼青が創始したもので
108式からなる伝統楊式太極拳から重複する技を省き簡化したもの。

また、伝統楊式太極拳もまた、套路はほぼ同じだが、
108式とも呼ばれれば81式、85式とも呼ばれる。

更に同じ108式でも鶴形、虎形、蛇形と三種類ある。
更に更に、架式(かしき)が異なることで、大架式、中架式、小架式とこれもまた三種類ある。
(架式とは腰の位置を意味し、大架式は大きな歩幅で低い架式であることが特徴)

ここまでくると何が何だかわからなくなる。

因みに当会では最も一般的な85式と呼んでいる。
85式はいわゆる鶴形の大架式だ。

世界的にもっとも愛好家が多く、あらゆる病気を治癒させるパワーがあることが世界中の臨床試験で証明されている。

さて、この伝統楊式太極拳、85式だが、実際に85の技から成るのだろうか?
いいえ。
先程もお話ししたように重複した動作が多く含まれる。

重複した動作を省くと37つの技から成ることがわかる。
いわゆる85式は37式だということ。

その中から、よく似た白蛇吐信(はくじゃとしん)を蔽身捶(へいしんすい)に加えると36
更に予備勢(よびせい)を省くと35の技で構成されているということになる。

85式というとたくさん覚えなくてはいけないような気がするが
実際は35の技から成るのである。

もし1日一つずつ覚えていけば35日、即ち1ヶ月ちょっとで覚えられることになる。
だから、そんなに気がまえなくとも良いということ。

ラジオ体操第一は13の体操から成るから、ラジオ体操の約2.7倍と考えれば良い。

しかも太極拳ならゆっくりした動作で普段鍛えにくい老化した体を支える深層筋を鍛えることができるし、
気のチカラでカラダを丸ごと丈夫にすることもできる。
転びにくくなり、転んでも怪我しにくくなる。
これはラジオ体操では得られないこと。

どうでしょうか?

108式とか85式というと、難しそうに感じるかもしれませんが、
37式なら覚えられそうな感じがしませんか?
しかも護身術として使える技が凝縮されています。