2024年3月24日日曜日

弱さを認める

自分の弱さを認める。
弱さを隠そうとしない。

イイカッコしたがる人がいますが、
イイカッコしようとする心そのものがすでに力んでいる状態なのです。

背伸びしようとすれば足が疲れます。
イイカッコは疲れるのです。
それなら踵を降ろし足裏全体を地に着けた方がラクではないですか?

私の場合、常にありのままの自分でいるよう心掛けています。

「先生らしくない」と思われているようですが、構いません。
世界中に無数の先生がいる中で、
一人ぐらい先生らしくない先生がいたっていいじゃないですか。

だから、今後も立派な人を演じるつもりはありません。

そもそもイイカッコしたところで何のメリットもありません。

そう言いながらも
全くそういうところがないかといえば、そんなことはありません。
やはり人間ですからカッコつけたい時もあります。
しかしそういう時に限ってミスします。
これが余計にカッコ悪い。

自分の弱さを認めましょう。

そうすれば肩の力が抜け、
体全身の余分な力が消えていくでしょう。

ここからが太極拳の本当のはじまりです。

さあ、
弱くて、
力も抜き切った自分に何ができるでしょう?

この時に太極拳の本質が見えてくるはずです。

太極拳やりたかったら、
イイカッコしたり、
やせ我慢したりのをやめましょう。

自分の弱さを認めることが太極拳の強さのはじまりなのです。



2024年1月26日金曜日

集中する

会員さんの練習を見ていると、今自分がすべきところを放ったらかしにして他人がやっているところをしようとしたり、まだ進んでないところを「見て欲しい」と言ってくる会員さんもいます。
おそらくYouTube等で似たような型を見つけて覚えてくるのでしょう。

指導者の立場からすれば、一番やって欲しくないことです。
(気持ちは解りますが)

私が高校受験の時、音大付属高校に進みたかったのでピアノの先生について習っていたことがあります。
先生は受験のため私のレベルに合った曲(ソナチネ7番)を選んでくれ練習するようにと言われました。

当時ピアノを弾くことが楽しくてならなかった私は懸命に練習し、どんどん指が動くようになりました。
そうこうしている内に自選曲では物足らなくなり、もっとレベルの高い曲をやりたくなりました。
そこでなんとなくソナチネ1番を引いてみたら初見で割と弾けたので、「これにしたい」と思ってそれから猛練習を始めました。
この曲を弾いて先生を驚かせてやろうという気持ちもありました。

そして先生の前で「1番を練習したので聞いて欲しい」と伝え弾き始めました。
その時の先生の反応は決して良くなく、その表情はどんどん険しくなり、引き終わった後、一度も怒ったことがない先生が怒りだしました。

「まだ7番もちゃんと弾けないのになにをやってたの?!」と。

その後、先生は1番を引き出したのですが、そのピアノはまさに怒りのピアノでした。
私はやさしい先生を怒らせてしまったとをとても後悔しました。

そして私は高校受験に失敗しました。
3校全てです。
「桜散る」の通知を見て涙がボロボロ溢れ出てきました。

受験に失敗したのはピアノだけではなく
本番でトランペットがうまく吹けなかったからです。

トランペットの先生も普段はとてもやさしい先生でしたが、
受験のためにマンツーマンレッスンを申し込んでからは人が変わったように厳しくなりました。
私が受験に合格出来るよう懸命に教えようとしてくださったのでしょう。

まあとにかくクラシック音楽への道は敗退に終わりました。

ところでピアノの先生は何故あれほど怒ったのでしょう?
それは私のために選んでくれた曲の練習を放ったらかして別の曲を練習してしまったからです。
ピアノの先生も私のレベルを見て、合格出来るよう最も適した曲を選んでくれたはずです。

まあ多感な時期でしたから、自分の才能に溺れてしまったり、美人の先生の前でいい恰好したいという気持ちもありました。
まさに雑念だらけです…

とにかく今すべきことに集中する。
それが出来るようになったら、次に進む。
その繰り返しです。

与えられたことをきちんとやれば先生も認めてくれるでしょうし、
私もそうしてもらうのが一番嬉しいです。