2023年5月16日火曜日

30グラム

 「手が触れる圧は30グラム」

稽古で推手を行う時、いつも言うことです。

もっと言えば0グラムの時もあれば2000グラム以上の時もあります。

条件は一切力を入れないこと。

太極拳の技はこの0~30グラムから生まれます。

私の場合、楊式推手の場合は10グラムぐらいを保つように意識しています。
10グラムは100円玉2個ぐらいの重さです。

「この重さで相手を崩すことができるか?」と言うことを常に考えています。

自転車のハンドルを握る時。
車のハンドルを握る時。
傘を持つとき。
スマホを持つとき。
ドアを開ける時。
エレベーターのスイッチを押す時。
ドライヤーを持つ時。
歯磨きをする時。

あげだしたらキリがありませんが、
こういうった時でも常に最小限の力を使って扱おうと意識します。

私は武術オタクではありません。
同じオタクでも伝統オタクです。

今年還暦になる私ですが
この歳になってくると派手なアクションより地味なアクションを好むようになります。

しんどいことはしたくない。

だからいかに力を使わず、
息を乱すことなく
動くことができるか?
ということを常に意識して生活しています。

練習時間がない。

本当にそうでしょうか?

武術家達は生活そのものが鍛錬であり、
生きることそのものが修行だと考えます。

話を戻します。

推手の時、手が触れる圧は30グラムと言いましたが、
双辺太極拳の時は違います。
恐らく相手には2キロいや、
5キロ以上に感じているのではないでしょうか?

相手は重さに対し体を支えきれず崩れていきます。

力は入れません。

それを証明するために私は袖をまくって腕に力が入っていないことを見せます。
前腕は筋張っておらず、力こぶしはふにゃふにゃ。

この違いは「何を意識するか?」です。
意識次第で自分の体を変幻自在に変えることが出来るようになります。

かくいう私も道半ば。

この世界は面白すぎるので
死ぬまで修行をやめられないと思います。



2023年5月13日土曜日

気の流れる量

今日午前のオンラインレッスンでは気の流し方をレクチャーしました。

どんなにきれいに動けていても私はOKを出しません。
それよりも気が流れているかどうか。

内家拳をされている先生方はきさくな方が多いです。
しかし、いざ手を合わせるとその瞬間、粉々にされそうな恐怖を感じます。

よく「羊の皮を被った狼」と言われますが、
赤ずきんちゃんのおばあさんを装った狼みたく、急変します(笑)

その狼に変身する力が勁(けい)です。

更にその勁を操るのが心です。

言い換えると心を鍛える修行が太極拳であり武術なのだと思います。

先ほど私は生徒の動きがきれいでもOKを出さないと言いましたが、
伝統の世界はそういうものです。

私自身も師について学ばせて頂いている時は、
気が通っているかどうかをいつも問われました。

ただひとつ言えることは、
どんなに気を通せたとしても、自分を上回る気の使い手には全く歯が立たないということです。
流れる量が違うのです。

体の大きさに関係なく
大木の如く、
岩の如く、
太く、大きく、強いものに変化します。

だから手を触れた瞬間、粉々にされる恐怖を感じるのです。

内家拳本当におもしろいです。



2023年5月9日火曜日

丹田の張りとは?

先日の稽古で、
「動こうとすると丹田の張りを感じる」という話をしていたら、
ある会員さんに「実際は体のどこなんですか?」と聞かれた。

私は「体の部分で言えば腸になるけど、丹田は丹田なんです」と答えた。

そう、丹田は丹田なのです。

丹田とはエネルギーが集まる場所。

磁力や電気が見えないようにエネルギーは目に見えない。
だから「どこ」と言われても、困ってしまう。

一般的な言葉で言えば「腹式呼吸」があるが、
腹式呼吸はお腹で呼吸すると説明されます。
この時に「腸」とイメージするでしょうか?
なんとなくお腹に空気を溜めるイメージをすると思います。

長年、気功と太極拳を鍛錬していると、お腹に張りを感じるようになります。
食べ過ぎて感じる張りとは違います。

とくに太極拳で使う力(勁:けい)はすべて丹田から発する力です。

突こうとすると丹田が膨らむ。
逆に突かれても丹田が膨らむ。

膨らむと言っても膨らみっぱなしではなく、
ゴムまりのようにパンパンの感じ。
いわゆる膨らむ力と縮む力が同時に働いて丹田に張りを感じるようになります。

先日ある体験に来られた方に腹を思いっきり拳で打ってもらいました。
丹田が出来てくるとどうなるかというのを知ってもらうためです。
丹田ができてくると思いっきり腹を打たれても全く痛くありません。

普通なら腹を思いきり打たれるとなると腹筋に力を入れるでしょう。
しかし内家拳では腹筋は使いません。

長年内家拳をやってると腹筋の力の入れ方する忘れてしまいます。
力を入れる必要がないからです。

因みに太極拳では8つの力(勁)を使います。
これを太極八法といいます。

最近、制定拳で実践されている太極八法五歩とは違います。
名称こそ本格的ですが、この型を覚えたからといって八法が使えるようになるわけではありません。(あえて断言します)
八法を会得するには勁を使える師に付き、長期間鍛錬を積む必要があります。

八法は・・
掤(ほう)、履(り)、擠(せい)、按(あん)、採(さい)、挒(れつ)、肘(ちゅう)、靠(こう)から成り、

掤は膨らむ力
履は溶かす力
擠は弾く力
按は圧する力
採は制する力
挒は切る力
肘は打つ力
靠は飛ばす力

(簡単に説明してますが実際言葉にするのは難しくどれもすぐにできるものでありません)

特に難しいのは掤勁(ほうけい)と挒勁(れつけい)でしょうか。

体がゴムのようになり、手は剣になる。

これぞ無敵です。

これらの勁を使う時、必ず丹田が動きます。
逆を言えば丹田による力なのです。

また、丹田だけではなく丹田が中心にあり体全体が一塊になる感覚です。
いわば丹田は気の体(エーテル体)を含めた肉体の「核」と言えるでしょう。

なので骨や筋肉を使って打つのではありません。
気(エネルギー)がゴムとなり金属となるのです。

では、仮に丹田を腸としましょう。

その腸は主にタンパク質で出来ています。
タンパク質はアミノ酸から成ります。
アミノ酸を更に細かくみていくと、分子となります。
その分子は原子によって成り立っています。
原子は原子核と電子で成り立っています。
更に原子核は核子から成ります。
核子はクオークから成ります。
物質の最小単位はアップクオークとダウンクオーク、
そしてレプトン(電子)となります。

宇宙にあるすべての物質が、この3つの量子から成ります。

これでも丹田が腸だと思いますか?

量子力学的に見れば、太陽の周りを回る地球と同じように、
原子核の周りを回る電子、いわば人間も宇宙なのです。

因みに原子核を1㎜としたら電子までの距離は約50mと言われます。
物質は詰まって見えますが実はそのほとんどが空間なのです。
宇宙にも星が無数にありますがそのほとんどが空間ですよね?

だから筋肉や骨をどれだけ細かく刻んでも丹田力の答えは見つかりません。
空気の分子を目で見ようとするようなものです。

丹田という宇宙がどんどん膨張する。
それが丹田力です。
自分の中の宇宙なら鍛錬次第でどれだけでも大きくパワーアップさせることができます。

それが丹田の張りです。



2023年5月7日日曜日

行き詰ったら捨てる

本日はあいにくの雨で楽しみにしていた青空太極拳は流れてしまいましたが、
午後から自由練習会を行いました。
少人数でしたがその分のびのび練習できたのではないかと思います。

何度かお伝えしたことですが
動きが解らなくなったら、一旦リセットしましょう。
パソコンが動かなくなったら再起動するのと同じです。

身近にあったことで例えるなら・・

腐ったイチゴにどれだけ飴をコーティングしても、
練乳を掛けても、
シュガーを振っても
腐ってるイチゴが新鮮になるわけではありません。

今までやってきたものがもったいないからと捨てきれずに、
悪い癖がついた動きの上に正しい動きを被せようとしても無理なのです。

「捨てる」
「一からやり直す」

そういう勇気をもって欲しいです。

子供はなんでも覚えるのが早いです。
それは余計な情報がないからです。
見たことを見たままやろうとします。
経験と照らし合わせたりしません。
そもそも経験がないのですから。

是非子供に習って欲しいです。

そういう意味で私は「童心忘るべからず」だと思っています。
先生らしくない先生ですが、私なりに考えています。

いい先生ぶってカッコつけても、
いつかボロが出て余計無様になるだけです。

だから私はいつも自然体です。

自分を大きく見せたり、
仮面を被ったり、
背伸びするのをやめましょう。

疲れるだけで何のメリットもありません。

これも、前回お伝えした「内外相合」です。

自分に嘘をつかない。
すべてを受け入れる。

太極拳が目指すところです。


2023年5月6日土曜日

内外相合の意味が解りますか?

本日こどもの日は朝10時半から夜22時まで稽古でした。

普通クラスではご夫婦で体験に来られた奥さんが入会されました。
持病を克服することに熱心で気功を実践したいとのこと。

これまで何度も私の奇跡をお話させて頂きましたが、
太極拳のパワーは本当に凄まじいです。
病院で治らないと言われた病気を数多く克服してきましたし、
世界的にみても気功や伝統太極拳が難病を克服したという事例も多いです。
あえて治らない病気なないと言いたいです。

夜間の自由練習会ではTさんの昇段試験対策を指導しました。
昇級試験では形が出来ていれば合格ですが、
昇段試験からは勁が使えることが採点基準になります。

私が思う勁は、脱力と気の意識はもちろん、
それ以上に心が一番大事だと思います。

いつも言うことですが、「自分に素直になる」ことです。

自分に嘘をつくと、相手以前に自分自身と闘うことになります。
自分自身の統制がとれていないのですから、
当然目の前の相手への意識は薄くなり、勁を使うことも出来ません。

そもそも勁とは自分だけで発するものではなく、
相手があってはじめて使えるチカラです。

エネルギー交換なのです。
磁石のN極とS極、電気のプラスとマイナスと同じです。

モノに対する破壊力ではありません。

「内外相合」

これがどういう意味か分かるでしょうか?
これが出来ていない人がとても多いです。

自分と自分(心と体)
自分と相手
双方と空間(宇宙)

すべてがひとつになることが大事です。
形ばかり追っていても決して答えは見つかりません。

結局「自分に聞け」なのです。



1000日毎日続ける

GW真っ只中、気持ち良いお天気の中、イオンモール橿原で気功講座を行いました。

最初に準備体操を行い、その後走圏。ひたすら歩きました。
生徒さんの一人が私の歩き方を見て「柔らかくて凄い」とびっくりされていましたが、私はこれを毎日2年間やり続けました。

よく言うことなんですが、
今やっていることを確実に会得したかったら、一度にいろんなことに手を出さず、毎日やり続けることです。
そうすれば確実に腕を上げることが出来るし、確固たるものになります。

最低でも2年は毎日続けたいです。

多彩にいろいろやるのもいいですが、「おあずけ」にすることも大事です。
次にやりたいことを楽しみにとっておくということです。

私のことを引き出しが多いという人もいますが、一度に仕上げたわけではありません。
一つ一つそれに専念しました。

剣の基本功毎日2年やり続けました。
三体式2年毎日やり続けました。
走圏2年毎日やり続けました。
棍法2年毎日やり続けました。

1000日毎日続ければ着実に身に着けることが出来ますし、
簡単にその感覚を忘れることもありません。

そのためにも目標を持つことが大事です。
私の場合は早く楊式刀を教わりたいばかりに半年で楊式太極拳を覚えました。

それだけに楊式刀(木刀)を手にした時はすごく嬉しかったのを覚えています。