2014年8月19日火曜日

誰にでもできる太極拳を

前回の記事を読んだある会員さんから「練習内容が変わるんでしょうか?」という質問が届いた。
どうやら説明が足りなかったようです。。

練習内容は今まで通りです。
ただ、私の口数が減るだけです。(笑)

どういうことかと言うと、何度かこのブログでもお話してきたが、あまり言葉で細かく説明すると、かえって混乱したり、言葉によって雁字搦めになり、のびのびとした本来の太極拳から遠ざかってしまうのではと感じたから。

例えば、検定向けの太極拳はあまりにも動作に対する約束事が多い。
もしかしたら、元はたった一言で伝わることだったのかもしれない。

太極拳に限らず、約束事が多ければ多いほど力みを抜くことは難しくなる。
車の運転にしろマニュアル片手に運転する人はいないし、横から教官にごちゃごちゃ口うるさく言われると余計に感覚が鈍ったりするものだ。
要は慣れの問題だと思う。

当会では、太極拳を通して、ゆるみの中にある心地よさを逸早く体感して欲しいと思っている。
そのためには約束事を減らさなければならない。
従って口数が減ると言うことになると思う。(笑)

私は元々体が固く、筋力もあまりない。
学生時代、美術と音楽が好きだった私にとって運動は無縁だと思っていた。
しかし今では中国武術で最も有名な太極拳の指導を行っている。

いずれも、私は空高く脚を上げたり、ジャンプしたり、地を這うような下勢をしたりはできない。
素直にカッコイイと思うし憧れもするが、そのような動作を求めるあまり体が悲鳴をあげるような過酷なトレーニングを強いることは避けたい。
なぜなら心地よい太極拳から遠ざかってしまうからだ。

身体の固い人も、体力のない人も、高齢者にとっても、
誰にでもできる太極拳を伝えて行きたい。

ゆるみの中から得られる、真の強さを身につけ、本物の美しさを手に入れて欲しい。
無論私もそれを目指している。