2014年9月9日火曜日

套路を覚えてからが始まり

私が最初、太極拳を始めた時は套路を覚えるのが楽しかった。
先生や先輩方のように最後まで通せるようになったらどんなにいいだろうと。

が、今は覚えることより練ることのほうが楽しい。
今も大会向けに新しい套路を覚えたり、自選套路をつくったりしているが、早くこれらを終わらせ練りたくて仕方ない。

練るとは、練習するという意味と、気を練るという意味の二つの意味があると解釈しているが、
いずれも練らなければ得られないものは多い。
じっくり煮込んだスープがおいしいように、即席では決して得られない味がある。

武術にしても、やり込んでいけば行くほど、様々な気づきが得られ、そして、内外相合(ないがいそうごう)といわれるよう、意と体が一致し、体のすみずみまで意識が行き届くようになる。
それは足や指先にも脳があるかのような感覚。
覚えるまでは脳が指令を送っていたのが、今度は手や足が自ら動き出す。

容易く言えば「体で覚える」ということになるが、
それをクリアすると今度は導かれるような感覚が得られるようになる。

気功の時間で「操り人形のように」といつも説明するが、それは套路でも同じこと。
操られているような感覚になるまでやり込む。

かといって套路の練習をやり過ぎると逆効果。
疲れてしまって長続きしなくなるからだ。
一日1~2回を毎日行うのが一番いいと思った。