私が知っているのは、
少林拳、査拳、蟷螂拳、翻子拳、通背拳、劈掛拳、詠春拳、洪家拳、八極拳、八卦掌、形意拳、意拳、心意拳、太極拳・・
せいぜい20~30程度だろうか?
いずれも数ある中国武術の中から太極拳を選んだ。
その一番の理由は一生できるから。
今日、ある太極拳講座で自己紹介を兼ね、太極拳に出会った経緯や今まで続けたきた理由などを皆の前で話した。
確かに私は太極拳を始めたことによって、数々の病気を克服し、健康な体を得た。
そして落ち目だった仕事も順調に回り出した。
ここで私は初めてハッと気がつく。
私が主宰する会で、あれほど頑張っていた人たちがなぜ辞めて行ったのだろうかという謎を。
元気になったからだ。
当会にきて、体調が悪くなって辞めていった人はいない。
無論、様々な理由があるが、
辞めて行く人のほとんどが太極拳によって元気を得た人だ。
それまで、病気がちで心も病み、仕事も出来ない状態になっていた人たちが、どんどん元気を得て、今や仕事で自分の能力を最大限に活かし頑張っている。
辞めていってしまったことに関しては正直残念だし辛いことだが、
何人もの人を元気にすることができたのだから喜ぶべきことだと今になって気付いた。
なぜ今まで気づかなかったのかと言えば、
元気になった本人が太極拳によるものだと気がついていないことがほとんどだからだ。
私もそうだった。
毎日激しい頭痛、肩こり、腰痛に悩まされいた私が元気になったとたん仕事が順調になり、稽古にほとんど出れなくなってしまった。
ただ、私は太極拳を辞めようと思ったことは一度もない。
ブランクもあったが、それでも太極拳は私の中でずっと生き続け、再開する機会を待っていたように思う。
その機会が転居だった。
そして、その後さまざまなことに挑戦し、
今では太極拳が私の生業になった。
さて、私は400ある中国武術の中から太極拳を選んだ。
先程も言ったように一生続けられるからだ。
太極拳は激しい運動を行わない。
だから死ぬまでできる。
太極拳はスポーツでもなく格闘技でもなく禅だからだ。
太極拳、またの名を動禅という。
禅なら一生続けられるし、常に体を浄化し、活力を得、
自分が何者でどこへ向かおうとしているのかという悟りを得ることもできる。
健康効果も美容効果も高く、護身術を身につけることもできる。
これほど一つで数多くの利点があるものもなかなかないのではないだろうか?
約15年前、私に形意拳を教えてくださった、今は亡きS先生は
「太極拳は歳をとっても強く、棺桶に入るまで続けられる」と熱弁してくださった言葉が今も深く心に刻まれている。
実際太極拳をされている高齢者の方々は他界される前日まで太極拳を続けられるという話を聞く。
だから、私も400分の1の太極拳を選んだ。
禅もじっくりやりたいと思っていたし、武術もやりたいと思っていた。
病気にならない体をつくり、不老長寿も手に入れたかった。
これらすべてを叶えてくれる太極拳に出会えて本当に良かった。