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2024年5月1日水曜日

太極拳は足

本日、初級クラス、個人レッスン3つ無事終わりました。

今日感じたことは、歩法の重要性です。
「太極拳は足」と言われますが、長く太極拳をやっていると本当にそう思います。

実際に発勁する時、手で押そうとしますが、これでは十分な力は出せません。

発勁は天地と調和した状態から一気に足裏から接触点までの圧を高める感じになると思いますが、その時に重要になるのが「足」です。
なので、単に足を前にストンと置いて体重を載せるだけではダメなのです。

歩法はきれいに歩くためではありません。
十分なパワーを引き出すために重要な要素です。

このような正しい歩法を身に付けると足腰が驚くほど鍛えられ、ちょっとやそっとではコケない体を作ることが出来ます。
老後に向け是非身に付けたい力です。

もうひとつは勁力の波です。

勁力というのは考えて出せる力ではなく逆に考えないで出せる力です。
だから考えてひょいと引き出せる力ではありません。
故にその感覚を体で覚えるしかないのです。

「パワーが出ない」
「パワーを出そう」
「今日は調子が出ない」
どれも雑念です。

こんなふうに雑念が沸くと力が分散してしまいます。
力を集めるには、何も考えないことです。
欲を出さないこと。
頭も体も空っぽにすれば、「何か」が体に中に入ってきて、そして出て行きます。

因みに「空っぽにしよう」とも考えてはいけません。
難しいですね。

#奈良 #気功 #太極拳 #勁力 #歩形 #歩法 #脱力 #無



2018年9月14日金曜日

切らない割らない

冬の検定に向け個別に指導を始めているが、
その度に伝えているのが
「切らない」「割らない」

太極拳をまだよく理解できていない初心者は
定式が終わりだと思ってしまう。

それならば套路として繋ぐ必要がなくなる。
なぜ繋がっているのだろう?
私はこのことをずっと考え、研究してきた。

ここで頭を切り替えてみる。
定式は過渡式であり、過渡式が定式と。

因みに「定式」とは型の練習でよく指導される、技が終わった部分とされているところ。
「過渡式」は定式と定式の間の部分。
制定拳では過渡式のことを「通過動作」などと表現される。

しかし太極拳の技に終わりはない。
それに通過動作もない。
実は通過動作と思っているところに太極拳ならではの秘技が隠されている。

逆を言えば過渡式がなければ太極拳にはならない。

この辺のことを言葉にするのは難しいので、
当会の稽古で学んで頂きたいと思う。

いずれも太極拳で套路を練る時は決して切ってはならない。
切ること、即ち相手に隙を与えることになる。
常に動いているから隙がなくなる。

川の流れのように連綿と動く。


次に割らないということ。
これは足運びをする時に、ドスンと足を落とさないということ。
太極拳の歩法はドスンドスン歩くのではなく、
肩の位置を変えず音も立てず静かに歩く。

これには二つの理由がある。

ひとつは相手に動きを読まれないようにすること。
もうひとつは静かに足を置くことで普段鍛えにくい筋肉を鍛えることができるということ。

普段歩いている時に、物音を立てずに歩こうなどとするだろうか?
赤ちゃんが寝ているそばを歩くときとか、
試験に遅刻して静かに教室に入る時とか、
そんなもんではなかろうか?

いずれもこの歩法によって、強靭な足腰をつくることができる。
だから、薄氷の上を歩くように、
そして割らないように歩く。

当会の検定では姿勢と歩型、そしてこの2つをみていく。

切らないことを相連不断(そうれんふだん)といい、
割らないことを出歩如猫(しゅっぽじょびょう)という。

切らない
割らない

これを意識して動くと太極拳の功夫(実力)は格段に上がる。

2017年12月10日日曜日

飛んでいる矢は止まっている

ゼノンのパラドックスに「飛んでいる矢は止まっている」という説があるが、
これは時間という概念からその一瞬は止まっているということを示している。

実際に飛んでいる矢を早いシャッター速度で撮影すれば静止して見える。
当たり前と言えば当たり前なのだが。

これとはまた意味が違うのだが、
私は太極拳の練習をしている時、いつもこの矢のことを思い浮かべる。

いわゆる、その一瞬一瞬は止まっている矢のごとく、
立禅(站椿功)の連続であるということ。

太極拳はゆっくり動く。
その意味はゆっくり動かなければ鍛えられない筋肉を鍛え、
極限まで力を抜きゆっくり動くことで氣の力を強めることができるから。

それに太極拳の動きは常に円であることから、
早い動きで練習してしまうと円ではなく直線に近づいてしまうことにも気づくだろう。

円の動きをしっかり体に染み込ませていくには
ゆっくり動くのが最良の方法であることもわかる。

本日、当会で3度目の検定試験を行った。
1度目、2度目と比べると全体的にレベルが上がったと確信した。

特に嬉しかったのは、かつて何度言ってもゆっくり動くことをせず、
まるで早く終わらせてしまいたいと言わんばかりに速くて雑な動きだった人が
今回の試験ではとてもゆっくり丁寧に動こうとしたこと。

私はいつも言う。
「早く上達したかったらゆっくり練習すること」

しかし、何度言っても早く上達したいからと早く動いてしまう。
そして、いつも同じところで同じ間違いをしてしまう。

もうこれは仕方のないことなのだと思った。
せっかちな性格がそのまま出てしまうということ。

そこで私はゆっくり動くことから、静止することをすすめる。
立禅というのは決まったポーズとは限らない。
自分で立禅をつくってしまっていいのだ。
自分の苦手がわかったら、その形の立禅を行えばいい。

少なくとも私はこうして自分の苦手を克服してきた。

止まっている矢のごとく、静止する鍛錬を行う。
そもそも站椿功(立つ鍛錬)は、最初に站椿功があったのではなく
正しい動きを身につけ、勁力を上げるために生まれた鍛錬法であると。

動いてしまうとついつい筋力に頼ってしまうが、
静止すれば立つための筋力だけで済むので、沈む感覚を養うことができる。

こんなふうに、太極拳をやり込んでいけばいくほど、立禅(站椿功)の重要性に気付く。

頭ごなしに「立つ練習をしなさい」と指導するのではなく
「なぜ立つことが重要なのか」と自分で気づくことが大事だと思う。

2017年10月29日日曜日

地球一周

今日自由練習会で弟子と震脚の反復練習を行った。
本人も気づいていたようだが、
他の会員さんが見ててもやはり音が全然違うという。

「そりゃ、震脚だけでも今まで10000発打ってきたんだから違って当然」と答えたが、
よくよく計算してみたら20000発は打ってることがわかった。

私は今自分が行っている課題に対し苦手をつくりたくない。
苦手は当然いくつも出てくるのだが、それを克服するための練習法をその都度編み出し、克服出来るまで何度でもそれを繰り返す。

三体式だけでも200時間以上はやってきたし、
竜形でブレずに立てるよう、そのための站椿功を60時間行った。

立禅は500時間以上は行ってきたし、
今後もずっと続けていく。

今、毎日平均30分ぐらい走圏(歩く鍛錬)を行っているが、
まず最初の目標は東海道横断。
現在距離にして300㎞ぐらいだから約3/5歩いた計算になる。

そして次に日本横断。
約2700㎞
そして地球一周。
約40000㎞
10年ぐらいはかかるだろうか。

太極拳を始めてから15年になるが、やればやるほど基本功を徹底的にやりたくなる。
新しい套路に興味がわかない。

せいぜい後2~3ぐらい習得したら
その後は徹底的に基本功に時間をかけたい。

新しい套路ばかり追いかけていた頃に比べ
今は断然自分の中に沸々とパワーを感じるようになってきている。
決して人に対して出すことのないパワーを体の中に封じ込めて行く作業が楽しい。

引っ張られる感覚。
沈む感覚。
中から体が熱くなる感覚。
掌が燃えるように熱くなる感覚。
空気に粘りを感じる感覚。
空気と同化するような感覚。

ドラえもんの道具に空気中で泳ぐことのできる道具があったが、
まさにあのような感じ。

単純な鍛錬にこそ、本物を知る鍵があると。

2017年3月6日月曜日

股関節に油をさそう

太極拳を始めたばかりの人を見ていて思うこと。
股関節の使い方が固い。

股関節が固いということが、どういうことなのかピンとこないかもしれないが、
股関節の可動域が狭く、
いわゆる、サビついて動きずらくなった駆動部のようにみえる。
(と一概には言えないが)
決して脚が開かないとか上がらないといったことではない。

股関節を柔らかく使えていないとどうなるかというと
曲げないで動こうとするから、動作がギクシャクするのはもちろん、
上体も傾き放題。
当然軸もぶれまくる。
足の伸ばさないといけないところで伸び切らず、
曲げなければならないのに曲がりきらない。

股関節をやわらかく使えていないと、とにかく太極拳の形にならない。
太極拳の形にならなければ、套路を行っても太極拳の動きにならず、
推手では簡単に崩されてしまい、
散手では技がかからないという結果になる。

とにかく何のメリットもないのだ。

股関節に油をさしてみよう。
もちろんそんなことは出来ないが、
先生の動きを見る時、手の動きばかりに気をとられないで体の使い方を見る。

真似ているはずなのに先生と同じ動きにならないのは手だけで真似ようとしてるから。
体丸ごと真似することが大事。

車は安定してまっすぐ進むことができる。
それはタイヤが丸く、
サスペンションとショックアブソーバーが縦揺れを最小限に抑えてくれるから。

自分の体を車に例えてみよう。
上半身を安定させるためには股関節、膝、足首を柔らかく使う。
太極拳の歩法は車輪の如く。

股関節は動かし過ぎても、動かさな過ぎてもいけない。
使い方を教わるより、技がどんなものであるか、
どのように使うか知ることで股関節に使い方を自然に学ぶことだできるだろう。

私はかつて先生方から股関節の使い方がダメだダメだと言われてきたが、
当時はなぜダメなのかさっぱりわからなかった。

でも、推手や散手をすればすぐにわかる。
論より証拠。
考えるよりやってみよう。ということだと思う。

2016年4月9日土曜日

楼膝拗歩と倒輦猴

楼膝拗歩(ろうしつようほ)を繰り返し行って、壁の近くまできたら今度は
倒輦猴(とうれんこう)で下がる。

これを何度も繰り返し行う。

反復練習は一度や二度失敗しても、何度でもやり直せるのがいい。

反復練習の良いところは
歩法(歩き方)、
身法(体幹の使い方)、
手形(手の位置や動かし方)、
眼法(視線を送る場所)、
これら重要なことだけに集中できること。

中心軸を感じながらゆっくり歩く。
体を極限までゆるめ、体の重みを足裏全体に沈める。
気を丹田に沈める。

たった二つの動作の練習だが、意識することはたくさんある。
そのどれか一つが出来ていなくても軸がぶれたり、歩法が乱れる。

だから何が良くて何が良くないか知る手段としてこの基本功は非常に優れている。
太極拳のベーシックトレーニングとも言おうか。

套路を覚えることも大事だが、
軸がぶれたり歩法が乱れてしまっては太極拳本来の力を発揮することはできない。

当会では入門太極拳の部と一般の部で毎回この基本功を行っている。
野球で言えばキャッチボールのようなもの。

多くの技を習得したければ一つの技を徹底的に練習するのがよい。