2023年12月22日金曜日

相手は相手ではない

当会では開祖より代々伝わる伝統形式で稽古を行っています。
代表が考えたプログラムではありません。
内乱が多かった中国で生まれ徹底的に磨き抜かれた本格的な太極拳です。

太極拳が健康にいいのは「生きる」ことを意識するからです。

平和な時代ではピンと来ないかもしれませんが、
今もこうしているうちに戦争やクーデターによって亡くなる人が絶えないのです。
病気や事故によって亡くなる人も数多くいます。
だから生きようとする気持ちが心を強くし体を強くします。

当会では何故気功から始まり套路を練り、推手、散手を行うのか?

それは美ではなく技を意識した動きを習得して頂きたいからです。
動作による美を追求し過ぎると怪我をしたり体を痛めたりします。
このことは過去、競技太極拳を行っていた私自身が嫌というほど経験しました。

ところが技を意識して太極拳の稽古をすると、全く違う世界が開けてきます。
今まで見えなかった目に見えない内面の世界と空間の力です。
目に見える人間は肉体の個体に過ぎず、弱弱しくさえ見えます。
しかし空間と融合することにより自分が一つの個体ではないことに気づき始めます。

それを感じとることが出来るのは目に見えない敵と戦う意識を持つことです。

ウイルスとどう戦いますか?
気によってウイルスを跳ね返し、
入ってきてしまったウイルスは内気のパワーを上げることで撃退させることができます。

これらの力は決して美を追求して得られるものではありません。

美を追求することを否定しているのではありません。
しかし年齢や体力に見合わない動作を目指したり、
間違ったトレーニングをしてしまうと確実に体を痛めつけてしまいます。

推手や散手が苦手だという人もいます。

苦手意識を持つのは仕方ありません。
しかし私が考えたプログラムではないということを知って欲しいです。
今まで何度も戦い抜いた数多くの先生方が継いで来られた貴重な伝統稽古なのです。

心を強くし、
体を強くし、
強く生き抜くための体に磨き上げるための鍛錬法です。

もしかしたらその苦手意識は相手を意識し過ぎているからではないでしょうか?
それは大きな間違いです。

本当の強さは相手を突っぱねることではなく、相手を受け入れることです。

先ほどと逆のことを言っているようですが、
いわゆる、相手がいない時は相手を意識し、
相手がいる時は相手ではないと意識することです。

相手を相手だと意識し過ぎると推手や散手の意味がいつまでもわからないでしょう。

肉体レベルで考えるのではなく、
人は見たもの触れたものと瞬時に繋がることができます。
繋がったエネルギーは空間を経てまた自分に戻ってきます。

怖がることはないのです。

相手とは自分が送ったエネルギーなのですから。

情報過多の今、情報に流されたり、人間関係を恐れたりしやすくなりますが、
だからこそ、目にみえない力を見たり、
身に付けたりすることが必要なのではないでしょうか?

太極拳で得られる力はおそらく皆さんの想像の外にあるでしょう。
そのためにはまずやってみることをおすすめします。



2023年12月3日日曜日

答えは自分の中に

今日ある生徒さんから「独身男性は早死にする」と言われ、
ちょっとグサリときたが、
そんな私は今までありとあらゆる病気を克服してきた。

特に物心ついたころから長年患った持病の喘息とアトピーは完全に克服し、
それから症状が出たことは一度もなし。
31歳から栄養学を学んでから。

人間の体は中医学では気血水から成ると言われるが、
医学的にみれば人間は水とタンパク質から出来ている。
その水とタンパク質を良質なものに変えれば人はいくらでも生まれ変わることが出来る。
それで数えきれないほどの病気を克服してきた。

その上、太極拳をはじめてからは驚異的な治癒力を身に付けた。
出血はすぐに止まり、
傷はすぐに治り、
内出血は2時間で治り、
脱臼や打撲は数十分で。
とにかく止血が早い。

交通事故で折れた肋骨は5日で元通りに、
穴の開いた肺は3日で塞がり、
捻挫は30分で治る。

確かに一人だと食生活が質素になる。
しかし毎日贅沢すれば長生き出来るだろうか?

確かに私の食生活はご飯に豆腐に味噌汁といった感じで質素だが、
それで体調を崩したことはない。
食べるものも大事かもしれないが、もっと大事なのは食べ方。
ゆっくり味わい感謝しながら食べる。
そうすれば質素なものでも栄養になる。

ある占い師の生徒は、「先生は霞みだけでも生きていけそうですね」と冗談で言ってたが、私もそんな気がする。

ご馳走はたまに食べるからご馳走なのであって、毎日贅沢三昧したいと思わない。
それが人生の楽しみだとも思わない。
もっと楽しめる人生はたくさんあるし、今ですら最高に充実している。

独身男性が早死にするのは単なる平均的なデータであって、
誰もが早死にするわけでなない。

大事なのは「人生をどう生きるか」ではないだろうか?

人生がつまらないと思えば、太極拳修行などしないだろうし、
生活も乱れ早死にするかもしれないだろうが、まだまだやりたいことは山ほどある。

人は生きるために生まれたのではない。
単なる消化ゲームではない。

人は進化するために生まれたのであり、だからこそ生涯修行を続けようと思った。

答えは情報の中にあるのではない。
自分の中にある。

それを見つけ出すことが大事だと思う。



2023年11月29日水曜日

人生60から

昨日の自立支援講座の時、冒頭でお話したことですが、
20年前、心も体力も衰え燃え尽きを感じていたあの頃からは
想像出来ないほどになりました。

39歳の若さで燃え尽きる?

30代はそれほど頑張りました。

24時間働くつもりでベッドを捨て、
24時間電話対応し、
必要とあらば夜中でも車を走らせるという感じで
毎日突っ走っていました。

あっという間に650人のリーダーになり、皆が私に付いてきてくれました。
YouTubeもSNSも何もなかった時代に年商5000万円に。

その後日本と海外の二重生活をすることが出来たし、
貧乏時代にはとても手の届かなかった外車も手に入れました。
そのお陰でしばらくの間は優雅な時を過ごすことが出来ましたが・・

その後一気に転落。

鋼のようなメンタルもガラスのようなメンタルになり、
人と会うのも怖いと感じるほど堕ちました。

原因は燃え尽きだけではなく、体を動かさなくなったことです。
当然収入も急落し、借金生活に。

その頃は階段どころか歩くことすら出来なくなり、
頭ばかり使っていても体を使わないとこうまで体力が落ちるんだと思い知らされました。
当時は階段を3段程登るともう息切れしてましたから。

もう、本当にヤバイと思いましたね。

しかし今はどうでしょう?

階段を見るとげんなりしていた私が階段を見ると気分が上昇してくる。
血が騒いでくる。
そして、ガンガン駆け上がります。
1段飛びで駆け上がっても息切れもしません。

太極拳本当にヤバイです。

歳を取ればとるほど、体力が落ちるのに、太極拳を始めると確実に時間が逆行します。

それにどうでしょう?
燃え尽きていた心に火が付き、
還暦になろうとする今、何か「大きなことをやりたい」という気持ちにすらなっています。

私が太極拳の効果を証明するのは今までだけでも語りつくせないほどありますが、
これからもっともっと実証していきます。

口先だけで「太極拳は健康にいい」などと言いたくありません。

身をもって示すのが私のやり方です。

10代20代の頃、横断歩道では常に先頭に立ち、一番前を歩く。
人ごみをかき分け颯爽と歩く。
そんな感じでしたが、40年経った今同じような感じになっています。

「人生60から」

歳を理由に泣き言は言いたくありませんし、
そう自信をもって言えるようこれからも実証していきます。

太極拳は心と体と脳を鍛えます。

いつまでも若々しさを保ちたい方は
ご一緒にやってみませんか?



2023年11月19日日曜日

転身は遊びながら身に付ける

転身方向は様々です。

欄雀尾左掤(らんじゃくびさほう) 90度
単鞭(たんべん) 180度
進歩搬欄捶(しんぽばんらんすい) 45度
抱虎帰山(ほうこきざん) 135度
双風貫耳(そうふうかんじ) 22.5度
転身右踵脚(てんしんみぎとうきゃく) 225度
玉女穿梭(ぎょくじょせんさ) 270度
轉身擺蓮(てんしんはいれん) 360度

この転身方向で苦労する人は多いようです。

ただ、この角度、
実戦では必ずしもこうなるとは限りません。

それもそのはず、
敵はどこから攻めてくるかわからないし、
敵がその場でじっとしているとも限らない。

だからこの角度はあくまでも套路上での角度であり、
実際は自由に転身出来なくてはならないのです。

因みに私は玉女穿梭で540度転身することが出来ます。
いわゆる1回転半です。
足で回ろうとするのではなく、
軸と丹田だけ意識していればどの方向にも自由自在です。

こんなふうに遊び心をもって練習すると上達が早くなります。

***

暗い顔したり、しかめっ面したり、眉間にしわ寄せて練習している人もいますが、
上達が遅れるだけです。

表情は心の状態をそのまま表しています。
顔の表面に力みが生じると
上丹田も中丹田も塞がってしまい、うまくいくこともいかなくなるのです。

私は稽古中にあからさまに叱り飛ばしたりすることはありません。
場の雰囲気を壊して空気を硬くしたくないし、本人の立場もあるからです。
しかし伝えるべきことはしっかりその場で伝えます。
冗談で言っているようで実は本気なのです。

暗い表情に好機は訪れません。
鏡を見てまず笑顔をつくることから始めてみるのがいいでしょう。

冗談のようですが間違いなく太極拳も人生そのものも激変します。



2023年11月5日日曜日

自分を知る

本日、新スタジオはフル稼働でした。

オンラインレッスン3つ
プライベートレッスン1つ

今日のオンラインレッスンでは・・

「人目を意識しないことの重要性」
「上達したければ大きな鏡を買うこと」
などを伝えました。

まず人目を気にしないというのは当たり前の話であって、
太極拳は本来武術であって人様に見せるものではなかったわけです。
人目を意識すると虚栄心やら恐怖心やら、
もうホント雑念だらけになり、それが良くも悪くも全て動作となって表れてしまいます。

伝統拳では人目を一切気にしません。
自分が気持ち良いように練ればいいのです。

あと、上達したいなら絶対に大きな鏡を買うべきです。

「鏡を見るな」という先生もおられるようですが、
私は鏡を見ることを強く薦めています。

なぜなら鏡は嘘をつかないからです。

今、目の前に映っているのはありのままの自分。
変わりたかったら鏡から目を背けず、よくない部分を直していけばいいのです。

或いは、折角誰もがスマホを持つ時代。
先生の動きを撮るのもいいけど、それより自分の動きを撮りましょう。

少なくとも私は毎回練習時に自撮りして自分の弱点を研究しました。
無様な動きだとしても落ち込んだりしません。
ただひたすら出来ていない部分を直しただけです。

「人目を意識しない」
「鏡を見る」

一件関連性のないことのように感じるかもしれませんが、
人目よりもまず「自分を知る」ことが大事ということです。

#全国 #気功 #太極拳 #オンラインレッスン #リモートレッスン



2023年10月8日日曜日

慌てない

何度やってもうまくいかない…

だからその部分を何度も何度もやり直します。
果たしてこの練習法は合っているのでしょうか?

太極拳の最も効率のよい練習方法は?

それは…
なるべくやり直しを減らすことです。

やり直すことは大事ですが、
何度も何度もやり直ししているとやり直し癖がついてしまい、
やればやるほど正しい動きからかけ離れていきます。

套路を練習している時、
「止まれ!」
と言われて、すぐさま静止することができますか?

いつでも静止出来る状態とは勢いに任せた動きではないということです。

即ち常に虚実がハッキリしており、
軸が安定し、
自由に動ける状態ということになります。

套路は站椿功(立つだけの練習)の連続動作なのです。

もしかして貴方はせっかちですか?

せっかちは太極拳の上達の妨げになるだけです。
「ダメだダメだ」の連続ではなかなか上達しません。

一度深呼吸して、ゆっくり動いてみましょう。

太極拳の最短上達法は徹底的にゆっくり動くことです。

楽器の練習と同じです。
速く演奏出来るようになりたかったら徹底的にゆっくり練習することです。

焦りは禁物。

このような心のゆとりが太極拳らしい心(人間性)を作り上げ、
その心が太極拳をより強く美しくします。

とにかく、ゆっくり動く。

この一言に尽きます。



2023年8月6日日曜日

ストレッチをとるか?太極拳をとるか?

過去に2年間制定拳を習ったが、
一番嫌いだったのがストレッチ。

郷に入ったならば郷に従えということで、
先生のように足が開いたり上がるように懸命に努力した。

家でも暇さえあればストレッチしたし、
毎日ジムにも通いサウナで股関節が柔らかくなるようストレッチした。
とにかく懸命に努力した。

2年経ってどうなったか?

ほんの多少、脚が上がるようになったぐらい。
開脚はほどんと変化なし。

子供の頃からクラシックバレエをやって今は教えてる従妹にそのことを尋ねてみた。
「人それぞれ骨格が違うのだからそれは無理」と。

確かに生まれつき体が硬い。
でもそれをどうにかしたくて頑張ってきた。
マジで頑張った。

しかし変わらなかった。

そうこうしているうちに疑問を持った。

一体自分は何をしているんだ?と。

太極拳をやりたいはずなのに、ストレッチばかりしてる。
「自分のやりたかったことはこれじゃない」と思いました。

郷に入ったならば・・ですが、
その郷が自分が入るべき郷ではなかったということ。

その後伝統に立ち戻り、鬆身法や立禅、套路などで毎日鍛錬しました。

そして、開脚こそできないが、やわらかい力を身に付けた。

いわゆる太極拳で最も重要な勁という力。

そしてそのやわらか力を身に付けたことが
これほどにも嬉しいのはその2年を過ごしたからこそ。

道を外すことは誰にでもあると思う。

しかし立ち戻る勇気さえあれば、その期間は容易に取り返せるし、
逆にそれ以上の結果さえ得られる。

これからももっともとっとやわらかい力を使えるよう更に研鑽していこうと思います。

2年は無駄ではなかった。
私をやる気にさせてくれた起爆剤だったからです。



2023年7月23日日曜日

先生と生徒

私がいつも心掛けていることは生徒に対し平等に接することです。
一人一人レベルに応じて丁寧に接します。

もし孤独を感じていそうな生徒がいれば、声を掛けるようにしています。
ぐいぐい来る生徒に対してもあしらうことなくきちんと対応します。
「どこからでもかかってきなさい」という精神です。

先生によっては「この生徒はやり辛いな」と感じる人もいるでしょう。
私にもあります。
しかしそうなると余計に燃えるのが私の性格です。
扱いにくい生徒ほど、まともになって欲しいと思うし、実際そうなっていきます。
辞めていく人もいますがね(苦笑)

とにかく、こうして生徒と平等に接するのは
生徒同士仲良くやって欲しいからです。

私も人間ですから、当然好き嫌いはあります。
因みに好きな生徒はこんな生徒です。

  • 練習熱心
  • 素直(真剣に話を聞こうとするし、よく見て正しく真似ようとする)
  • 慕ってくれる生徒
  • グループレッスンの時に近くに立つ人
  • 感想を聞かせてくれる人

以上です。

先ほども言いましたように、これはあくまでも好きな生徒であって、
だからといってそうでない生徒をないがしろにするわけではありません。
私にとって生徒は教えるだけではなく、自分を成長させることの出来る相手でもありますから。(自分にとっても学べるという意味)

さて、さきほどリストアップした内容をひとつひとつ説明していきます。

練習熱心な生徒、好きです。
当然です。
私も太極拳を伝えたくて教えることを始めたわけですから、熱心な生徒を応援したくなるのは当たり前です。

素直な生徒、好きです。
なぜなら素直な生徒は上達が早いからです。
自分でやろうとせず、私の動きをよくみて、その通りに動こうとします。
逆に自分で動こうとしている人はなかなか上達しません。

慕ってくれる生徒も好きです。
私は太極拳を教えたくて教え始めたのではありません。
太極拳を好きになって欲しくて教え始めました。
だから太極拳が好きになってくれる人が好きです。

次に距離感です。
長く続けてる会員さんが後ろに立つのはわかります。
しかし古い会員さんは新しい会員さんを前に立つようエスコートすべきです。

確かに遠くからのほうが全体が見えて全体の動きが解りやすいというのはあります。
しかしパワーが伝わってきません。
はっきり言ってしまえば動作なんていくらでも覚えようはあります。
しかし内家拳で大事なのはカタチではなく師から滲み出るパワーを得ることです。

今の私が今の自分でいられるのは、
先輩が私を先生の近くに立つようすすめてくれたからです。
(場所を譲ってくれたからです)
もちろん自主的に先生の近くにいったこともあります。

ハッキリ言いましょう。
内家拳で強くなりたかったら絶対先生の近くに行くべきです。

私は音楽活動していた若い頃はよくライブに行ったものです。

大好きだったアーティストのチケットがなかなかとれず、
やっととれたと思ったら、武道館の2階席の奥の方。
これは楽しめませんでした。
アーティストはゴマ粒のように小さいし、
音にしろ反響音しか聞こえてこない。
アリーナで騒いでいる人たちをただただ傍観するしかありませんでした。
アーティストの熱い想いなど伝わってくるはずもありません。

逆にアリーナの前から1列目や2列目のチケットをとれたこともありました。
これは最高に楽しめました。
目の前に好きなアーティストがいる。
熱いプレイが魂に響いてくる。
こんな時はしばらく興奮が冷めず、仕事もプライベートも常に元気でいられました。

大事なことはパワーを感じることです。


武術では、ある有名な中国の先生の講習会に参加したこともあり、
その時は会場に60~70人ぐらい集まりました。
私は初参加でした。
それでも最前列、しかもその先生のすぐ近くに立ちました。(自主的にです)

YouTubeでしか見たことのない有名な先生が目の前にいる。
当然よく目があいましたし、最も手取り足取り直接指導してくれたのも私でした。
なによりもパワーを頂きました。
恐らくあの会場で一番得したのは私でしょう。

内家拳で学ばなければいけないのはカタチではなくパワーです。
近くに行けば行くほどパワーもらうことが出来ます。

先輩がいつも前を譲ってくれたのはそういうことだったのです。
やさしい先輩達に恵まれ本当に幸せでした。

最後に・・感想を聞かせてくれる生徒、好きです。
毎回感想を聞かせてくれる生徒がいます。
だからといって特別扱いはしません。
指導も他の生徒と同じようにします。
しかし気持ちの入り方は全然違います。

感想をくれる生徒は意欲があります。
だからこそその意欲に応えたいという気持ちになります。
ホンキで上達してもらおうと思うので指導は徹底的に丁寧になります。
そしてその生徒はやはり圧倒的に上達が早いです。

今、私は先生の立場で書きましたが、
私が生徒時代の時は毎回先生に感想を伝えました。
その場でも伝えましたが、あとからメールでも感想を伝えました。
そして私のことをすごく可愛がって下さいました。


あるおいしいラーメン屋で
「いやー!ここのラーメンは何度食べてもおいしいです!」と感想をいいました。
私は心の声が口に出てしまうのです。
すると次行った時、同じものを注文したら、チャーシューが2倍入ってました。

そういうことなんです。












2023年7月21日金曜日

頭を切り替える

なかなか上達しない。

そんなふうに思っている方も少なくないと思います。

上達が早い人とそうでない人の違いはなんでしょう?

もちろん練習量です。
練習しなければ上達することはありません。

仮にその場ですぐに出来たとしても
練習しなければ張りぼてのように簡単に崩れてしまいます。

上達する方法はただひとつ。

「上達する方法で練習すること」です。

間違った方法をどんなに繰り返しても上達しません。
それは歪んだクッキーの型できれいな形のクッキーを作ろうとするようなもの。
歪みを直さなければ決してきれいなクッキーは出来ません。

小学校の時、かきかたという授業がありました。
点線文字をなぞって文字のかきかたを覚えると言う方法です。

太極拳で最初にやることは、まずは正しい姿勢と動きを覚えることです。
かきかたでいう点線文字は先生の動きを見ること。
そしてそれをなぞる作業こそが見て覚えることです。
そしてその正しい姿勢や動き方をしっかり頭に入れ、それを反復練習します。

一度覚えたからと思って侮ってはいけません。

我流になっていることはよくあること。
何度でも先生の動きをみて、再確認すること。
私は10年以上経っても、その違いを見つけることが出来ましたし、
それはこれからも続くでしょう。

常に「師の動きを見る」ということです。

「YouTube観たから、それでできてる」なとど思わない方がいいです。

逆に自分の動画をYouTubeにアップしてみてはどうでしょう?
どんな反応がくるでしょう?
応援してくれる人もいるでしょう。

しかし、ダメ出しされたり、マウントをとられたり、
酷い言葉で罵られることもあるでしょう。
動画が出せない人はそれが怖いから出さないのかもしれませんね。

私の場合は最初の頃からSNSに動画を出しまくって、
これらをすべて力に変えました。

当時の私はダメ出し、マウント大歓迎でしたから。

今の自分が「出来ている」と思いあがりたくなかったからです。
褒められればそれを励みにすればいいし、
悔しかったらそれをバネにすればいい。

人の反応を怖がっていて上達などありません。
人は好き勝手言いますし、本当のことも言ってくれます。

話を戻します。

上達する方法は練習量です。

しかし間違った練習を10時間やっても100時間やっても上達はありません。

「今の自分が間違ってると気づくことが大事なのです」

先生の動きを見る。
それをなぞる。
それをひたすら繰り返します。

これだけです。

もし上達しないと悩んでいるのなら、今日から頭を切り替えましょう。

見て、真似て、繰り返す。

そうすれば間違いなく上達します。
是非頑張ってください。



2023年7月8日土曜日

映画「推手」を観て

私はこの映画をかなり気に入っているのですが、
生徒にすすめて貸出すると「良かった」と言ってくれる人もいれば、
無反応で返ってくることもあります。

多分この映画の本質や良さに気づけなかったのでしょう。

この映画で監督が伝えたいことは空白になっています。

あえて言わない。
だからこそ考えさせられる。
推手とはそういうものです。

推手はその人の性格が出ます。

相手によっては推手が合わない人もいるでしょう。
しかし続けて行くと次第に合うようになります。

相手を認める。
相手を思いやる。

そんな気持ちが推手力を向上させ、武術としての功夫だけでなく人として成長できるのではないでしょうか?

CGやワイヤーアクション、早回しなどのアクション映画を観て興奮するのもいいですが、
非現実的な映像は心に残りません。

しかしこの映画はずっと心に残ります。

派手なアクションを期待していると裏切られるでしょうが、
「歳をとっても太極拳は強い」というのは亡き兄弟子の言葉ですが、
この映画はまさにそれを描写しています。

歳をとると衰える。

いいえ、太極拳は逆です。

歳をとればとる程強くなれるし
仲間も増え、心が通じ合う人とも出会える。

いわば、人生を最後まで存分に楽しめるということが
この映画を観て私が感じたことです。

最後のラストシーンはなんとも温かい気持ちになれます。

<追伸>
映画の中で「推手」を「結婚」に例えていますが、
私の考察では、「バランスをとって力を使わず相手を倒す」というのは相手を感じるからこそ崩すことができるので、
「相手を理解する」
即ち「認める」ことを「倒す」と表現していると思いました。



2023年7月5日水曜日

謝ります

私は会の代表であり、
講師でもありますが、
非があれば即座に謝罪します。

時間を置くことはありません。
時間を置けばそれだけ傷が深まるだけだからです。

謝ることがカッコ悪いとか
立場が弱くなると思う人もいるようです。

本当にそうでしょうか?

私は逆に非を認めつつも謝らない方がカッコ悪いと思います。

そもそも相手に嫌な思いをさせ、
そのまま放置して楽しいでしょうか?
嬉しいでしょうか?
幸せな気分になれるでしょうか?

私には耐えられません。

もし嫌な思いをさせたり傷つけたりしたら、私も苦しみます。

人の苦しみは自分の苦しみ。

周りから馬鹿正直と言われたこと
何度もあります。

しかし私は死ぬまで正直に生きたい。
人に悲しい思いをさせるのが嫌だし耐えられないのです。

幼い頃私は体が小さく華奢でした。
背の順は一番前、恐らく体重も一番軽かったでしょう。

同級生の大きい奴らにおもちゃにされました。

こちらは何も悪いことをしていないのに
いきなり殴られる。
いきなり首を絞められる。
いきなり顔に唾を吐かれる。

今思い出しても悔しいです。

こちらに非があるなら殴られても仕方ありません。
それまで楽しく一緒に遊んでいたはずなのに、
いきなり殴ったり掴みかかってきたりされるのです。

こんな経験を散々積んできたので
辛い思いをしている人の気持ちが人一番解るつもりです。

だから私はいつでも弱い者の味方です。

強い者に対して弱腰になったり媚びたりしません。
いつも堂々としています。
そして非があれば即座に謝ります。

私の経験上、
「ありがとう」と「ごめんなさい」が即座に言える人は誰からも愛されます。
最初は意識して始めましたが、今では無意識にそうなっています。

謝まることがカッコ悪いのではなく、
謝らないことがカッコ悪いのです。

素直が一番です。



2023年7月4日火曜日

推手プログラム

当会には推手プログラムというプライベートレッスンがあります。
15分間ひたすら推手だけを行うプログラムです。

これで何が得られるでしょう?

太極拳の根幹であり真髄が見えてきます。

推手に様々な流派がありますが、
当会で行っている推手は楊式太極拳の推手なので、
「払う」「受ける」「掴む」「引っ張る」をしません。

逆をいえば、もしそんなことをされたら嫌な気持ちになりませんか?

恐らく、
「仕返ししたくなる」か、
「推手が嫌いになる」かどちらかでしょう。

推手は太極拳の勁を身に付けるための鍛錬法であり、
試合ではありません。
勝負してはいけないのです。

そして太極拳で最も重要な聴勁と化勁を鍛えることが出来ます。
逆を言えば、聴勁と化勁がなければ太極拳とは言えません。

又、映画等で取り上げられる太極拳は化勁の描写が多いです。
いわゆる「いなす力」です。

化勁を身に付けることは太極拳を身に付けることなのです。
型(套路)ばかり練習していても本当の太極拳を知ることは出来ません。

人から攻撃をされたらやり返してはいけません。
いなしましょう。
私は相手にしません。

報復に時間を費やすほど人生長くありません。

当会で推手プログラムを行うのは、
カタチだけではなく今やっている太極拳に魂を吹き込むためです。

私はこれまで出会った師と15分も推手をしたことがありません。
もし出来たとしたら、もっと早く腕を磨くことが出来たのではないかと考え、始めたのが「推手プログラム」です。

現在続けている会員はごく僅かですが、
確実に力をつけつつあります。

推手が上達すれば技も上手くなるし、演武も変わります。
定期的にわずか15分のレッスンを受けるだけでです。

因みに本プログラム以外での推手では崩し合いはしません。
それでも学びは多いですが、太極拳で最も重要な聴勁や化勁を身に付けることは出来ません。

カタチだけではなく、「太極拳の勁が使えるようになりたい」という方は積極的に参加してください。











2023年6月22日木曜日

結局のところ太極拳はなんなのか?

結局、太極拳はなんなんでしょう?

体操?
スポーツ?

いいえ、
「武術」です。

ではなぜ体操として普及したのでしょう?(普及させたのでしょう)

それは…

とてつもなく
「強い」からです。

こんなのが発祥国で普及してしまったら、
政府は国民を制圧できなくなります。

太極拳は実際に技を掛けてもらわないと本当の凄さは絶対に解りません。

かくいう私も太極拳を始めた初日、
「これは踊りか?」と完全になめていました。

私が太極拳に対してここまで本気になれたのは、
師が私を投げ飛ばしてくれたからです。

もし、最初のイメージ通り、踊りや体操であったならとうに辞めていました。

あれから20年経ちましたが、
師への感謝の気持ちは霞むどころか、
どんどん鮮明になっていきます。

親に「生んでくれてありがとう!」というように
師に「投げ飛ばしてくれてありがとう!」大声で言いたいです。

#太極拳 #体操 #スポーツ #武術







2023年5月16日火曜日

30グラム

 「手が触れる圧は30グラム」

稽古で推手を行う時、いつも言うことです。

もっと言えば0グラムの時もあれば2000グラム以上の時もあります。

条件は一切力を入れないこと。

太極拳の技はこの0~30グラムから生まれます。

私の場合、楊式推手の場合は10グラムぐらいを保つように意識しています。
10グラムは100円玉2個ぐらいの重さです。

「この重さで相手を崩すことができるか?」と言うことを常に考えています。

自転車のハンドルを握る時。
車のハンドルを握る時。
傘を持つとき。
スマホを持つとき。
ドアを開ける時。
エレベーターのスイッチを押す時。
ドライヤーを持つ時。
歯磨きをする時。

あげだしたらキリがありませんが、
こういうった時でも常に最小限の力を使って扱おうと意識します。

私は武術オタクではありません。
同じオタクでも伝統オタクです。

今年還暦になる私ですが
この歳になってくると派手なアクションより地味なアクションを好むようになります。

しんどいことはしたくない。

だからいかに力を使わず、
息を乱すことなく
動くことができるか?
ということを常に意識して生活しています。

練習時間がない。

本当にそうでしょうか?

武術家達は生活そのものが鍛錬であり、
生きることそのものが修行だと考えます。

話を戻します。

推手の時、手が触れる圧は30グラムと言いましたが、
双辺太極拳の時は違います。
恐らく相手には2キロいや、
5キロ以上に感じているのではないでしょうか?

相手は重さに対し体を支えきれず崩れていきます。

力は入れません。

それを証明するために私は袖をまくって腕に力が入っていないことを見せます。
前腕は筋張っておらず、力こぶしはふにゃふにゃ。

この違いは「何を意識するか?」です。
意識次第で自分の体を変幻自在に変えることが出来るようになります。

かくいう私も道半ば。

この世界は面白すぎるので
死ぬまで修行をやめられないと思います。



2023年5月13日土曜日

気の流れる量

今日午前のオンラインレッスンでは気の流し方をレクチャーしました。

どんなにきれいに動けていても私はOKを出しません。
それよりも気が流れているかどうか。

内家拳をされている先生方はきさくな方が多いです。
しかし、いざ手を合わせるとその瞬間、粉々にされそうな恐怖を感じます。

よく「羊の皮を被った狼」と言われますが、
赤ずきんちゃんのおばあさんを装った狼みたく、急変します(笑)

その狼に変身する力が勁(けい)です。

更にその勁を操るのが心です。

言い換えると心を鍛える修行が太極拳であり武術なのだと思います。

先ほど私は生徒の動きがきれいでもOKを出さないと言いましたが、
伝統の世界はそういうものです。

私自身も師について学ばせて頂いている時は、
気が通っているかどうかをいつも問われました。

ただひとつ言えることは、
どんなに気を通せたとしても、自分を上回る気の使い手には全く歯が立たないということです。
流れる量が違うのです。

体の大きさに関係なく
大木の如く、
岩の如く、
太く、大きく、強いものに変化します。

だから手を触れた瞬間、粉々にされる恐怖を感じるのです。

内家拳本当におもしろいです。



2023年5月9日火曜日

丹田の張りとは?

先日の稽古で、
「動こうとすると丹田の張りを感じる」という話をしていたら、
ある会員さんに「実際は体のどこなんですか?」と聞かれた。

私は「体の部分で言えば腸になるけど、丹田は丹田なんです」と答えた。

そう、丹田は丹田なのです。

丹田とはエネルギーが集まる場所。

磁力や電気が見えないようにエネルギーは目に見えない。
だから「どこ」と言われても、困ってしまう。

一般的な言葉で言えば「腹式呼吸」があるが、
腹式呼吸はお腹で呼吸すると説明されます。
この時に「腸」とイメージするでしょうか?
なんとなくお腹に空気を溜めるイメージをすると思います。

長年、気功と太極拳を鍛錬していると、お腹に張りを感じるようになります。
食べ過ぎて感じる張りとは違います。

とくに太極拳で使う力(勁:けい)はすべて丹田から発する力です。

突こうとすると丹田が膨らむ。
逆に突かれても丹田が膨らむ。

膨らむと言っても膨らみっぱなしではなく、
ゴムまりのようにパンパンの感じ。
いわゆる膨らむ力と縮む力が同時に働いて丹田に張りを感じるようになります。

先日ある体験に来られた方に腹を思いっきり拳で打ってもらいました。
丹田が出来てくるとどうなるかというのを知ってもらうためです。
丹田ができてくると思いっきり腹を打たれても全く痛くありません。

普通なら腹を思いきり打たれるとなると腹筋に力を入れるでしょう。
しかし内家拳では腹筋は使いません。

長年内家拳をやってると腹筋の力の入れ方する忘れてしまいます。
力を入れる必要がないからです。

因みに太極拳では8つの力(勁)を使います。
これを太極八法といいます。

最近、制定拳で実践されている太極八法五歩とは違います。
名称こそ本格的ですが、この型を覚えたからといって八法が使えるようになるわけではありません。(あえて断言します)
八法を会得するには勁を使える師に付き、長期間鍛錬を積む必要があります。

八法は・・
掤(ほう)、履(り)、擠(せい)、按(あん)、採(さい)、挒(れつ)、肘(ちゅう)、靠(こう)から成り、

掤は膨らむ力
履は溶かす力
擠は弾く力
按は圧する力
採は制する力
挒は切る力
肘は打つ力
靠は飛ばす力

(簡単に説明してますが実際言葉にするのは難しくどれもすぐにできるものでありません)

特に難しいのは掤勁(ほうけい)と挒勁(れつけい)でしょうか。

体がゴムのようになり、手は剣になる。

これぞ無敵です。

これらの勁を使う時、必ず丹田が動きます。
逆を言えば丹田による力なのです。

また、丹田だけではなく丹田が中心にあり体全体が一塊になる感覚です。
いわば丹田は気の体(エーテル体)を含めた肉体の「核」と言えるでしょう。

なので骨や筋肉を使って打つのではありません。
気(エネルギー)がゴムとなり金属となるのです。

では、仮に丹田を腸としましょう。

その腸は主にタンパク質で出来ています。
タンパク質はアミノ酸から成ります。
アミノ酸を更に細かくみていくと、分子となります。
その分子は原子によって成り立っています。
原子は原子核と電子で成り立っています。
更に原子核は核子から成ります。
核子はクオークから成ります。
物質の最小単位はアップクオークとダウンクオーク、
そしてレプトン(電子)となります。

宇宙にあるすべての物質が、この3つの量子から成ります。

これでも丹田が腸だと思いますか?

量子力学的に見れば、太陽の周りを回る地球と同じように、
原子核の周りを回る電子、いわば人間も宇宙なのです。

因みに原子核を1㎜としたら電子までの距離は約50mと言われます。
物質は詰まって見えますが実はそのほとんどが空間なのです。
宇宙にも星が無数にありますがそのほとんどが空間ですよね?

だから筋肉や骨をどれだけ細かく刻んでも丹田力の答えは見つかりません。
空気の分子を目で見ようとするようなものです。

丹田という宇宙がどんどん膨張する。
それが丹田力です。
自分の中の宇宙なら鍛錬次第でどれだけでも大きくパワーアップさせることができます。

それが丹田の張りです。



2023年5月7日日曜日

行き詰ったら捨てる

本日はあいにくの雨で楽しみにしていた青空太極拳は流れてしまいましたが、
午後から自由練習会を行いました。
少人数でしたがその分のびのび練習できたのではないかと思います。

何度かお伝えしたことですが
動きが解らなくなったら、一旦リセットしましょう。
パソコンが動かなくなったら再起動するのと同じです。

身近にあったことで例えるなら・・

腐ったイチゴにどれだけ飴をコーティングしても、
練乳を掛けても、
シュガーを振っても
腐ってるイチゴが新鮮になるわけではありません。

今までやってきたものがもったいないからと捨てきれずに、
悪い癖がついた動きの上に正しい動きを被せようとしても無理なのです。

「捨てる」
「一からやり直す」

そういう勇気をもって欲しいです。

子供はなんでも覚えるのが早いです。
それは余計な情報がないからです。
見たことを見たままやろうとします。
経験と照らし合わせたりしません。
そもそも経験がないのですから。

是非子供に習って欲しいです。

そういう意味で私は「童心忘るべからず」だと思っています。
先生らしくない先生ですが、私なりに考えています。

いい先生ぶってカッコつけても、
いつかボロが出て余計無様になるだけです。

だから私はいつも自然体です。

自分を大きく見せたり、
仮面を被ったり、
背伸びするのをやめましょう。

疲れるだけで何のメリットもありません。

これも、前回お伝えした「内外相合」です。

自分に嘘をつかない。
すべてを受け入れる。

太極拳が目指すところです。


2023年5月6日土曜日

内外相合の意味が解りますか?

本日こどもの日は朝10時半から夜22時まで稽古でした。

普通クラスではご夫婦で体験に来られた奥さんが入会されました。
持病を克服することに熱心で気功を実践したいとのこと。

これまで何度も私の奇跡をお話させて頂きましたが、
太極拳のパワーは本当に凄まじいです。
病院で治らないと言われた病気を数多く克服してきましたし、
世界的にみても気功や伝統太極拳が難病を克服したという事例も多いです。
あえて治らない病気なないと言いたいです。

夜間の自由練習会ではTさんの昇段試験対策を指導しました。
昇級試験では形が出来ていれば合格ですが、
昇段試験からは勁が使えることが採点基準になります。

私が思う勁は、脱力と気の意識はもちろん、
それ以上に心が一番大事だと思います。

いつも言うことですが、「自分に素直になる」ことです。

自分に嘘をつくと、相手以前に自分自身と闘うことになります。
自分自身の統制がとれていないのですから、
当然目の前の相手への意識は薄くなり、勁を使うことも出来ません。

そもそも勁とは自分だけで発するものではなく、
相手があってはじめて使えるチカラです。

エネルギー交換なのです。
磁石のN極とS極、電気のプラスとマイナスと同じです。

モノに対する破壊力ではありません。

「内外相合」

これがどういう意味か分かるでしょうか?
これが出来ていない人がとても多いです。

自分と自分(心と体)
自分と相手
双方と空間(宇宙)

すべてがひとつになることが大事です。
形ばかり追っていても決して答えは見つかりません。

結局「自分に聞け」なのです。



1000日毎日続ける

GW真っ只中、気持ち良いお天気の中、イオンモール橿原で気功講座を行いました。

最初に準備体操を行い、その後走圏。ひたすら歩きました。
生徒さんの一人が私の歩き方を見て「柔らかくて凄い」とびっくりされていましたが、私はこれを毎日2年間やり続けました。

よく言うことなんですが、
今やっていることを確実に会得したかったら、一度にいろんなことに手を出さず、毎日やり続けることです。
そうすれば確実に腕を上げることが出来るし、確固たるものになります。

最低でも2年は毎日続けたいです。

多彩にいろいろやるのもいいですが、「おあずけ」にすることも大事です。
次にやりたいことを楽しみにとっておくということです。

私のことを引き出しが多いという人もいますが、一度に仕上げたわけではありません。
一つ一つそれに専念しました。

剣の基本功毎日2年やり続けました。
三体式2年毎日やり続けました。
走圏2年毎日やり続けました。
棍法2年毎日やり続けました。

1000日毎日続ければ着実に身に着けることが出来ますし、
簡単にその感覚を忘れることもありません。

そのためにも目標を持つことが大事です。
私の場合は早く楊式刀を教わりたいばかりに半年で楊式太極拳を覚えました。

それだけに楊式刀(木刀)を手にした時はすごく嬉しかったのを覚えています。



2023年4月23日日曜日

道場に拘る理由

今やもうあたりまえのように使っている道場ですが、
当会が道場に拘る理由はたくさんあります。

一番の理由は、気功と太極拳だけに集中できるかどうかです。


【道場のメリット】
  • 稽古に適した広々とした空間。
  • 空調や空気清浄、照明設備が整っている。
  • 他団体との入れ替えがないのでトラブルがない。
  • カーペットなのでシューズを用意しなくてもよい。
  • トイレが隣接している。
  • 仕事帰りなどそのまま立ち寄れる。
  • 着替えスペースがある。
  • 椅子が充実している。
  • 常に必要な資料が用意されている。
  • カード決済ができる。
  • 火災や地震など緊急時の避難がすぐに出来る。
  • 時間の縛りがない。
  • サロン風なので落ち着いた雰囲気で瞑想しやすい。
  • 壁一面の鏡で姿勢や動作を確認できる。
  • 常に清掃されており清潔感がある。
  • 癒し効果の高いアロマで気分が落ち着く。
  • プライベートレッスンで利用できる。
  • スタンディングバッグ、ミット、レンタル武器などが充実している。

【公共施設の場合】
  • 他の利用者に配慮しなくてはならない。
  • 前の利用者によっては床が砂や土で汚れていたり強い臭いが残っていることがある。
  • 時間を守っても早めに退出しなければ他の団体からクレームが入ることがある。
  • 前に利用している団体が時間を守ってくれないことがありトラブルになることがある。
  • 突然他団体の人が間違えて室内に入ろうとしてくることがある。
  • 殺風景な空間。
  • シューズを用意する必要がある。
  • 駅から遠い。

その他にも、場所を抑えるためスケジュール会議に出席する必要があったり、任意の場所が抑えれなかったり、申請手続きが複雑であったり、借り手側としての手間もかなり大きいです。

公共施設に関しては他の団体と協力し合いながらうまく利用できればいいのですが、どんなにこちらが好意的であっても、喧嘩腰で挑んでくる団体や個人もいます。(本当に疲れます…)
こうなると癒しどころか、心が乱れ稽古に集中出来ません。

シェアスペースに於いては場所の取り合いになることや、大音量で音楽を掛けられたり、場所を大きく使われたり、トラブルがつきません。

その点道場では最初から最後まで和やかな雰囲気で楽しく稽古を行うことができます。

これこそが当会が道場に拘る理由です。














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2023年4月4日火曜日

赤ちゃんのエネルギー

本日カルチャーの気功講座で体験に来られた60代男性が入会されました。

太極拳ではなく、
ずっと気功教室を探しておられたようで
ネットで私の講座をみつけられたそうです。

その方が気功を始めたかった理由は「気を強くしたい」とのことでした。

「気が強い」というのは一般的もよく言われる言葉です。

では気が強いと思える人は本当に気が強いでしょうか?
いいえ。
真逆です。
気の強い人は弱いから強がろうとしているのです。
人前では強く見せ、家で泣いている人がどれほど多いことでしょう。

私はいつも本音で話すので、
相手も本音で話してくれる人が多いです。
だからそういうことを割と知っているほうです。
もちろんこちらがどれほど本音で話しても
本音で話してくれない人もいます。

因みに、強がることのメリットってなんでしょう?
よく考えてみて下さい。
女性の場合は自分を守るためある程度は必要かもしれませんが、
本音で話せる人がいれば本音で話すべきでしょう。
強がるだけ強がって結局苦しむのは自分ですから。

話しを戻しますが、
今日体験に来られた方が言いたかったことは
「気を強くしたい」でのはなく
「心を強くしたい」ということだと思います。

その理由なら私が太極拳を始めた理由と同じです。

さて、
そもそも気功の目的とはなんでしょう?

そうです。
生まれたての赤ちゃんに戻ることです。

ではそのパワーはどこから?

気功は仙人による仙道から生まれたものですが、
仏典には「足裏を意識しなさい」
或いは「お腹の張りを感じなさい」
という教えがあります。

それは気功にもそのまま当てはまります。
更にそれを武術としたのが太極拳です。

仏陀も老子もエネルギーの集め方を知っていたのです。

近代太極拳は気功や武術の要素を省き体操や競技、スポーツとして楽しまれています。
体を動かすことはいいことです。

しかし、折角強大なパワーが得られる天地のパワーの
取り込み方を学ばず、実践しないのはあまりにももったいない。

人はもっともっと若々しく生きられるのです。

ところでそのエネルギーが最も集まる場所はどこでしょう?
いわゆる丹田です。

その丹田はどこにあるか?

位置的には仙骨の前。
女性の場合は丁度子宮の位置なので実感しやすいと思います。

最もエネルギーが集まる場所が子宮なのですから、
赤ちゃんがエネルギーをたくさん持っているのは当然なのです。

但し女性は気を付けて下さい。
体に良いものも毒もすべて子宮に行ってしまいます。
最近若い喫煙者が増えていますが、
元気な赤ちゃんを産みたければ煙草は止めるべきでしょう。

男も女もエネルギーが最も集まる丹田(子宮)から生まれたのですから、
そのエネルギーを再度取り戻したいと思いませんか?

それこそが私が気功と太極拳を伝えていこうとする理由です。




2023年3月31日金曜日

手を打つ動作、これはなに?

左掌に右拳を打ち付ける動作がありますが、
これは一体何なんでしょう?

当会では形意拳も行っていますが、
連環拳(れんかんけん)や八勢(ぱーせい)、
雑色捶(ざっしきすい)にこの動作があります。

陳式太極拳の型にも似たような動作がありますね。

ある陳式太極拳の先生に尋ねたところ、
「打つ動作ではなく打つ前の動作が技である」と教わったこともありますし、
「力強さを強調するためのアクセント」とコメントしている方もいました。

陳式太極拳に関しては私は門外漢なので解りませんが、
形意拳でのこの動作の意味は以下の通りです。

この動作には3つの意味あります。

一つは技です。

どんな技が想像できるでしょう?
想像内かもしれないし、
想像外かもしれません。

特に内家拳では敵を欺くため、あえて技を隠します。

掌と拳を打ち付けていますが、
実際このように打ち付けるのでしょうか?

もしかしたらある程度間隔があったり、
打つ位置がずれているかもしれません。
いずれも恐ろしい技であることには違いありません。

もう一つは鍛錬法です。

ボクシング等ではサンドバッグを打ったりして練習しますが、
太極拳や形意拳に関してはそのような練習をすることはあまりありません。

そもそも発勁動作は気の爆発なので、
サンドバッグを強く打てるようになることとはあまり関係がないのです。
ですから内家拳では瓦割りなども行いません。

物を破壊する力ではなく、細胞を破壊する力が内家拳の発勁なのです。

先程、発勁は気の爆発だと説明しました。

そして、気のパワーは丹田力に比例します。
なので両手を強く打ち付けることはしません。

アメリカンクラッカーをご存じでしょうか?

紐で繋がった両端の玉を打ち付け合うおもちゃですが、
あの原理に似ています。

玉には当然ながら動力はありません。
動力源は紐を持った指にあります。
最初は玉同士が下でコンコンぶつかり合いますが、
手の振りを大きくしてやると今度は上下で球がぶつかり合います。

手を玉だとしたら、腕は紐です。
そして動力源は丹田になります。

いわば、この動作は丹田力を鍛える方法の一つとして捉えることが出来ます。

3つ目は練度確認です。

内家拳では勁力を重視します。

ところがやっかいなことに、
勁力が上がってきたかどうかは自分では解らないものなのです。

師に「勁力上がったな」と言われても
「そうなのかな?」といったぼんやりした感じです。
勁力は実感がないのです。

だから「勁力を出すぞ!」という意識で出せるものではありません。

あえてあるとしたら
威力を出そうという雑念を払い、無となり、空となることです。

もし勁力が上がったら、
両手を打った瞬間にそれなりの手ごたえを感じるはずです。
ボールの威力があることを球威と言いますが、
左掌で受けた右拳がズッシリと重く感じたら、
勁力が上がったと思って間違いないでしょう。

両手を打ち合う動作。
あれは演出でもパフォーマンスでもありません。

内家拳では大変重要な動作なのです。





2023年3月30日木曜日

太極拳は動画だけでは学べません

今までも何度か伝えてきたことですが、
動画サイトで太極拳を覚えることは出来ません。

覚えたと思ってるのは覚えたつもりになっているだけで、
中身のない真似事に過ぎません。

特に男性は誰よりも先に進みたいという気持ちが強い傾向があり、
動画サイトなどを見て予習してくる人もいますが、これもやめたほうがいいです。

「出来てるつもり」になることが一番遅れをとることだからです。
今までそんな人を数えきれないほど見てきました。

本格的に長年武術をやっている人であれば、動画からある程度盗むことも出来るでしょう。
しかし動画は間違いを指摘してくれません。
これこそが実力が伴わない真似事の域を超えることが出来ない理由です。

先生の指導の下で練習している人ですら、注意したことを守らず膝や足首を痛める人がいるほどです。
それを動画で正しく動くなど無理でしょう。

動画で本当に太極拳を覚えたと思っているのなら、
熟練された先生と推手をやってみるといいでしょう。
組手をやってみるのもいいでしょう。

全く歯が立たないどころか、
紙っ切れのように吹っ飛ばされるのがオチです。

私は幸運にも数々の先生方と手合わせさせて頂いたことがありますが、
真似事か、伝統の修行を積んでこられた先生か、手を触れた瞬間に解ります。

その違いは紙と岩です。

長年正しい修行を積んでこられた先生方は動きに無駄がなく、隙がありません。
逆に真似事の輩は全てにおいて隙だらけです。

動画サイトを見る時間があったら立禅をやりましょう。
その方がよほど早く上達します。

稽古に参加したら先生の手本や指導に集中しましょう。

武術に近道はありません。
日々修行あるのみです。



2023年3月24日金曜日

牽制しない威嚇しない

動物や昆虫等、生き物の世界を見ていると
弱い生き物こそ牽制したり威嚇したりします。

強い生き物はしませんし、
されても相手にしません。

太極拳では相手を怯ませるようなことをあえてしません。
相手を理解し受け入れます。

もし相手が攻撃してきたら、やわらかく受け入れそっと技を掛けます。
痛みはありません。

すると相手はそれまであった闘志がどこかに消えてしまいます。

そのような太極拳に到達することが当会の目的です。

敵視は敵視、
力は力を呼ぶだけです。

そもそもこれら自体が自分が勝手につくり上げた妄想なのかもしれません。

相手を見る。
そして理解する。

太極拳の考え方です。



2023年3月23日木曜日

発勁力の開発

昨日の武術班では、
纏絲勁(てんしけい)
螺絲勁(らしけい)
抽絲勁(ちゅうしけい)

これらの違いをレクチャーしました。

これらを説明するのにどれだけ言葉を並べても理解するのは不可能でしょう。
実際に体験してみるしかありません。

流派によって解釈が異なると思うので、あくまでも私が学んだ理論となります。

纏絲勁(てんしけい)は相手の力を無力化する力。
螺絲勁(らしけい)は螺旋の動きによって発勁を増大させる力。
螺絲勁(ちゅうしけい)は丹田と気のパワーを用いた螺旋の力。

M子さんの腹に触れた状態から気を打ち込みます。
触れた状態で打つことを暗勁(あんけい)と呼びます。
打たれたM子さんはその場で蹲り
腹だけでなく胸から下腹部に至る広範囲にその衝撃を感じたようです。

Uさんには思いっきり腹筋に力を入れてもらいました。
まず拳を腹に触れた状態で気を打ち込みます。
その瞬間体が後ろへ崩れ、それ相応の衝撃を感じたようです。

しかし腹筋に力を入れた状態であればより効果的な方法があります。
それが寸勁です。
一寸(約3センチ)の位置から打ち込みます。
どれほど腹筋に力を入れてもこの勁は腹を貫通しその衝撃は背中まで伝わります。

Uさんの体は大きく崩れ、
そのまま蹲りしばらく立てなくなってしまいました。

寸勁を打つ時は十分力を加減しなくてはいけません。
想像上ではいくらでもパワーが出せる感覚があるからです。

力は有限ですが、勁は無限だからです。

決して拳を振り被ることなく、
力を入れることなく、
瞬間的に目に見えない力に突き動かされ砲弾の如く拳が発射されます。

なぜこのような打ち方が出来るのか解りません。

それもそのはず、考えて打つのではなく、
膨張した丹田のエネルギーが
一瞬の意識でトリガーが外れ気が発射されるような感じだからです。

「打つ」ではなく「外す」という感覚です。

かなり恐ろしいパンチです。

寸勁、またの名をワンインチパンチとも呼びます。

これら浸透する力を浸透勁(しんとうけい)と呼びます。

とまあ、こんな風に説明してもやっぱりよく解らないと思います。
煙を掴むようなもので、実態がないからです。
結局、実際に体験してみるしかないのです。

因みに私は楊式太極拳で使う抽絲勁を立禅と套路で鍛えました。
寸勁は三体式站椿功と五行拳で鍛えました。(まだまだ未熟ですが)

突きの練習は一度もしたことがありません。
突くために突く練習をせずに、ひたすら立つ練習と歩く練習をしました。

その時に、美しく動こうとか、
きれいに動こうとか、
派手なパフォーマンスをやろうとか、

そのような自意識や他意識等の雑念があると勁力は遠のいていきます。

これは私自身が何度も経験したことで、
他意識(自己顕示欲や承認欲求等)があると確実に勁力が落ちます。

そもそも「無」とは雑念のない状態です。
これらの勁は間違いなく無の状態から発せられます。

太極拳が動禅と呼ばれる所以が解ります。



2023年3月2日木曜日

単鞭が片方しかないのはなぜ?

先日ある会員さんにこんなことを尋ねられました。

「なんで単鞭って片方しかないんですか?」

私は即座に「全く必要がないから」と答えました。

そもそも単鞭の技をこれまで何度も使ってきて
「逆もあったらいいのになぁ」と思ったことがありません。

ここで思い浮かべるのがお箸です。

左利きの人は例外として、
左手で箸を持って右手で茶碗持って食べたいと思うでしょうか?
弓を構える時も右手で弓を持ち右手で矢を放ちます。
ギターを抱える時も左手で指板を抑え右手で弾きます。

単鞭で言うなら、左手が開掌の方が何かと応用が利くし、
鉤手は圧倒的に右の方がいいですね。
左手だとイマイチパワーが出せません。

それに「掌=受け、拳=突き」という考えも捨てた方がいいでしょう。
逆でもいいのです。
単鞭も左右の手はそのままで、掌で捌き鉤手で打つという用法もあります。

こんな風に太極拳の動作に疑問を持つことはとても大事だと思います。

ただ与えられたものをそのままやるだけでは
太極拳を100%楽しむことは出来ないし、
勁力をつけることも出来ません。

因みに発勁とは腕力で出す力とは違います。

流派によって捉え方は様々でしょうが、発勁の発動源は丹田であり、
丹田が動けば体内の重さが体の中で揺れ動き、それが波のように相手に伝わっていきます。
実際に比べてみれば体に受ける感覚は明確に違います。

長年太極拳を研究すればするほど、
本当によくできた武術だと感嘆するばかりです。



2023年1月27日金曜日

簡化太極拳は使えるか?

このような議題が出ることが多いですが、
そもそも簡化太極拳は中国政府が健康のために制定した太極拳であり
武術として制定されたものではありません。

但し、武術として太極拳を修行している者であれば
簡化太極拳であっても技や勁を使うことができます。
それは簡化太極拳でなくとも
ラジオ体操ですらも技や勁を知るものなら武術として使えるようになります。

結論を言えば簡化太極拳だけを行っていても
護身術として使えることはありません。

護身術を少しかじっただけでもなかなか技が出てこないのに、
技の練習をせずに咄嗟に技が出ることはありません。

試しに仲間と、かるくスパーリングをやってみるといいでしょう。
恐らく殴る蹴るといった喧嘩スタイルになるのではないでしょうか。

さて、先ほどラジオ体操でも技になると言いましたが、
当然、太極拳で行う準備運動や抜筋骨(気功体操)ですら技になります。
立禅も技になります。

逆を言えば勁を身につけてしまえば
技にならないものはないと言っても過言ではないでしょう。
そして日常生活の動さ全てが技になります。

勁とは、触れることによって相手の力を無力化したり、
ダメージを与えたり、崩すことのできる力なので、
華麗な技は必要ありません。
手にナイフやスタンガンを持っているのと同じです。

もし護身のためにこれらの携帯を義務付けられても私なら恐らく断るでしょう。
勁が使えればその必要がないからです。
これらを携帯したり、電池切れを心配したり、バッグから取りだしたりするのも面倒です。

この勁を手に入れるための鍛錬はそれに特化した特殊なトレーニングが必要です。

それが立禅です。

「立っているだけで強くなれるのか?」
ほとんどの人がそう思うでしょう。

しかし太極拳を武として修行している者ならいずれ立禅(站椿功)の重要性に気付き重視するようになります。

「立っているだけなんて意味ない」
「体を動かした方がいい」
という輩もいますが、そんな方に限って体を壊しています。

伝統太極拳は実におもしろいです。

当会の道場ではこのように勁を鍛えるための練習を楽しみながら稽古しています。