太極拳を始めた頃、刀や剣がカッコイイと思った。
が、剣についてるボンボリのような房、
それに、刀についてる布っきれ。
正直、うっとおしいと思った。(笑)
飾りにしか見えないし、そもそも戦うのに何故飾りが必要なのだと。
日本刀にボンボリとか布っきれがついてたら、絶対おかしいし。
因みに剣の房、すなわち剣穂(けんすい)と言うが、伝統剣の剣穂はやたら長い。
私の持ってる伝統剣の剣穂は55センチぐらいある。
慣れないとこれが、腕に絡み付いたり、逆に剣穂の重さで剣が揺さぶられてしまったり、とにかくうっとおしい。
が、伝統楊式剣の技のひとつとして、剣穂を相手の顔面に向かって打ち付けるというのがある。
要するに、目くらましをして、その隙に相手を切ってしまおうということなのだろう。
まあ、それにしても邪魔だ。
でも、これをうまく操れるようになると、凄くカッコイイ。
普通は剣だけに集中していればいいが、剣の動きに対して剣穂がどう揺れるか把握し、両方操れるようになる訓練が必要だ。
一方、刀にくっついている布っきれ、即ち、刀彩(とうさい)。
これまたうっとおしい。(笑)
気持ち良く刀を振り回しているとやはり手首に絡み付いてくる。
試合でこれをやると減点を喰らってしまう。
だから、刀の動きに対し刀彩がどう動くか、やはり把握していないといけない。
調子に乗って、派手な動きをするともれなく手首に絡み付いてくるから厄介だ。
刀彩に関しては、刀を勢いよく振るとバサッという気持ちのいい音がする。
どうやらこれで相手を威嚇するらしい。
が、
私は絶対そう思わない。
布っ切れがバサッと音を立てても、幼稚園児でさえ驚かないだろう。
そうではなく、多分、油断・攪乱させるためのものだと思う。
刀を勢いよく振り回すとバサバサバサッという音がする。(旗がなびくような音)
その音に気をとられていると・・
次の瞬間、刀でバッサリ切られるという具合だ。
綿の中に針が入っていたら怖いが、そういう感じなんだと思う。
色鮮やかな刀彩に目を奪われていると切られてしまうからご用心。
柔と剛。
これも中国の陰陽思想を取り入れた発想なのだろうか。