2022年3月18日金曜日

できないから楽しい

出来ないことに落ち込んだり苛立ったりすることがあるようです。
解らないでもありません。
私もそういう時期がありました。

そんな経験を重ねるうちに逆にできないことを楽しめるようになりました。

答えは簡単です。
簡単にできてしまったらおもしろくないからです。

最近、道場に知恵の輪を置きました。
久しぶりにやってみたら、2回連続10秒足らずで解けてしまいました。
「なんだ、簡単だな」
手に持っていた知恵の輪をテーブルの上にポンと投げてしまいました。

それもそのはず、もうそれをやる必要がないのですから。

しかし、その後またやってみたら、全くできなくなりました。
何度やっても出来ないのです。

これ、太極拳に似ています。

出来たことが出来なくなる。

私はこういうことが起きた時こう思う癖があります。

100%出来ないものではなく、100%出来るものであることをまず教えてくれる。
それさえ解れば、出来なくなっても、無理だと匙を投げることはありません。
何度でも出来た時に戻ろうと努力します。

太極拳でも、できたことが出来なくなることがあります。
そして、その時の状態に戻ろうとします。
進むのではなく未来から戻ってくる感じです。

太極拳で一番楽しい時って、こういう時期ではないでしょうか?

なんでもすぐ出来てしまったらおもしろくないのです。

私は教える立場になってもまだまだ学びたいことが山ほどあります。
だから定期的に師に稽古をつけて頂きます。

もちろんその時は解らないこと、出来ないことばかりです。
しかしそのことに落ち込んだり苛立ったりすることは微塵にもありません。(本当です)

寧ろ、まだまだ学べることがたくさんあることに喜びを感じます。
ワクワクします。

私は読みたい本をすぐに読まずとっておく癖があります。
読んでしまったらそのとたん古本になってしまいます。
しかし読まずに楽しみにとっておけばいつまでも宝物です。

出来ないことに落ち込んだり苛立ったりするのは今日限りやめましょう。
ハッキリ言いますが、
間違いなく人生損します。

自ら楽しいことをつまらないことにしてしまっているのです。

出来ないことが出来るようになれば達成感を得ることができます。
しかしその達成感がいつまで続くでしょう。
どれほどのご馳走でも食べてしまったら終わりです。

できないこと、学べることがたくさんあることを楽しめば
間違いなく人生10倍楽しめます。



2022年3月15日火曜日

パワーのかたち

今回、師に稽古をつけて頂いて、改めて感じたことは、太極拳の勁(力)に形はないということ。

師が套路をやり出すと毎回動きが違います。
掌形も違います。
足運びも違います。
架式も違います。
向きも違います。

真似ようとしても決して真似られません。

それもそのはず、時間は絶えず流れているように形もどんどん変化します。

太極拳の勁(力)の出し方は「アメーバのように」とよく例えられますが、
太極拳で形を求めることはアメーバに形を求めるようなものです。

形を脱した師の動きは大きく膨らんで見えます。
その動きに一瞬の隙もありません。
毎回動きが違うのにも関わらずです。

形をとるか?
勁をとるか?

いずれも形を整えようとしてはいけません。
出て来るパワーがリアルに形となって現れるという感じです。

では師から何を見て盗むか?
出ている氣です。

書籍でもDVDでも動画サイトでも絶対に得ることが出来ないものです。

これが一番大事だと思いますし、この氣を感じさせてくれることが何より勉強になります。
そしてこれ以上有難いものはありません。



2022年3月3日木曜日

型を覚えることに終始していませんか

型を覚えることに終始していませんか?

型は太極拳の力をつけるための鍛錬法です。
だから、準備体操を覚えるように套路もさっさと覚えてしまいましょう。

套路で質を上げようとすることも大事ですが、
套路の中だけで質を求めても太極拳そのものの力を出せるようにはなりません。

推手と散手と並行してやること重要で、それにより総合的に質を上げることが出来ます。

最初の頃は套路を一通り覚えると嬉しいものですが、
私の場合は新しい套路を覚え終わった時点では「ようやく準備が出来た」としか思いません。

料理で例えるなら、食材を洗って切っただけの段階。
調理するのはこれからです。

型を覚えることを目標にするのは自由ですが、
目標がそこである限り何十年やっても自分の太極拳が変わることはありません。

太極拳の一般的なイメージは体操か舞踊かスポーツです。
武術だと思っている人がどれだけいるでしょう?
いくら言葉で武術だと訴えても、技や勁を使えなければ武術ではありません。

剣道、空手、合気道など武道は徹底的に技を磨きます。
技が鮮やかに決まると見ている方も気持ちいいものです。

しかし太極拳は美しく型を演じることを目標としています。

なぜでしょう?

もしかしたら強い太極拳を弱体化させるためなのかもしれませんね。

太極拳を本来の強い武術に戻しましょう。
太極拳の魅力は力を必要としないので、一生、心身共に強くすることが出来ます。
これは誰もが願っていることではないでしょうか。

是非一度、当会の太極拳を体験してみてください。

「太極拳って武術だったんですね!」
と驚かれる方が多いです。

そのようなわけで、
男女問わず技が使えるよう楽しみながら稽古しています。