出来ないことに落ち込んだり苛立ったりすることがあるようです。
解らないでもありません。
私もそういう時期がありました。
そんな経験を重ねるうちに逆にできないことを楽しめるようになりました。
答えは簡単です。
簡単にできてしまったらおもしろくないからです。
最近、道場に知恵の輪を置きました。
久しぶりにやってみたら、2回連続10秒足らずで解けてしまいました。
「なんだ、簡単だな」
手に持っていた知恵の輪をテーブルの上にポンと投げてしまいました。
それもそのはず、もうそれをやる必要がないのですから。
しかし、その後またやってみたら、全くできなくなりました。
何度やっても出来ないのです。
これ、太極拳に似ています。
出来たことが出来なくなる。
私はこういうことが起きた時こう思う癖があります。
100%出来ないものではなく、100%出来るものであることをまず教えてくれる。
それさえ解れば、出来なくなっても、無理だと匙を投げることはありません。
何度でも出来た時に戻ろうと努力します。
太極拳でも、できたことが出来なくなることがあります。
そして、その時の状態に戻ろうとします。
進むのではなく未来から戻ってくる感じです。
太極拳で一番楽しい時って、こういう時期ではないでしょうか?
なんでもすぐ出来てしまったらおもしろくないのです。
私は教える立場になってもまだまだ学びたいことが山ほどあります。
だから定期的に師に稽古をつけて頂きます。
もちろんその時は解らないこと、出来ないことばかりです。
しかしそのことに落ち込んだり苛立ったりすることは微塵にもありません。(本当です)
寧ろ、まだまだ学べることがたくさんあることに喜びを感じます。
ワクワクします。
私は読みたい本をすぐに読まずとっておく癖があります。
読んでしまったらそのとたん古本になってしまいます。
しかし読まずに楽しみにとっておけばいつまでも宝物です。
出来ないことに落ち込んだり苛立ったりするのは今日限りやめましょう。
ハッキリ言いますが、
間違いなく人生損します。
自ら楽しいことをつまらないことにしてしまっているのです。
出来ないことが出来るようになれば達成感を得ることができます。
しかしその達成感がいつまで続くでしょう。
どれほどのご馳走でも食べてしまったら終わりです。
できないこと、学べることがたくさんあることを楽しめば
間違いなく人生10倍楽しめます。