2013年6月27日木曜日
なめられるのが快感
あるサイトでこんな一節をみつけた。
「朝の公園とかで見かける太極拳のスローな動きから、こんな弱そうな拳法で大丈夫か? 」
私はこれを読んでニンマリしてしまった。(笑)
まったくもってその通りで、太極拳はみるからに弱そうな拳法だ。
しかし、実際に技を掛けられると、その言葉は二度と出てこなくなるのも太極拳だ。
剛拳といわれる拳法ならば、「さあ、掛かってこい!」というような気迫でまず構えてくるだろうが、
太極拳の師は、そのような表情は一切しない。
ニコニコしながら近づいてきて、こちらが少しでも手を出そうものならあっという間に空を舞うことになる。
相手に対し、悔しいとか「コノヤロー!」とか一切思わない。
ただただ呆気にとられるという感じだ。
太極拳のいいところは、弱そうにみえるところだ。
私は「柔よく剛を制す」という言葉が好きだが、太極拳は「綿の中に針を隠す」とも例えられる。
なめてかかると大やけどするってことだ。
一般的に強そうに見える拳法は、動きが豪快で力強い。
腕力で戦うわけだ。
が、腕力はそう長くはもたない。
スタミナ勝負になるから、なるべく早く相手をやっつけないといけないだろう。
一方、太極拳は普段、早い動きの練習をしない。
それは精巧な攻防法を正確に身に付けるためだけじゃない。
気を練ることによって地球を味方につけてしまおうというのが太極拳だ。
私の修行はまだまだ始まったばかりだが、最終的には地球の一部になれるよう日々鍛錬を積んでいる。
そうなれば、もう怖いものなしだろう。
そもそも人間は死ねば嫌でも土に還り地球の一部となる。
それを生きている間にやってしまおうというのだから、死ぬことさえも怖くなくなるのではないだろうか。
なんか話が危ない方向に進みそうなのでこの辺でやめておきます。(笑)
昭和38年大阪生まれ。学生時代、剣道、空手(剛柔流、極真)、旧日本陸軍の団体訓練を受ける。2002年に太極拳始めその後武術の研究を続ける。専門種目:気功、楊式太極拳、双辺太極拳、形意拳。2013年より指導を始め2020年に橿原神宮前に本部道場開設。一条伝統太極拳・綿拳内功研究会主宰