当会では開祖より代々伝わる伝統形式で稽古を行っています。
代表が考えたプログラムではありません。
内乱が多かった中国で生まれ徹底的に磨き抜かれた本格的な太極拳です。
太極拳が健康にいいのは「生きる」ことを意識するからです。
平和な時代ではピンと来ないかもしれませんが、
今もこうしているうちに戦争やクーデターによって亡くなる人が絶えないのです。
病気や事故によって亡くなる人も数多くいます。
だから生きようとする気持ちが心を強くし体を強くします。
当会では何故気功から始まり套路を練り、推手、散手を行うのか?
それは美ではなく技を意識した動きを習得して頂きたいからです。
動作による美を追求し過ぎると怪我をしたり体を痛めたりします。
このことは過去、競技太極拳を行っていた私自身が嫌というほど経験しました。
ところが技を意識して太極拳の稽古をすると、全く違う世界が開けてきます。
今まで見えなかった目に見えない内面の世界と空間の力です。
目に見える人間は肉体の個体に過ぎず、弱弱しくさえ見えます。
しかし空間と融合することにより自分が一つの個体ではないことに気づき始めます。
それを感じとることが出来るのは目に見えない敵と戦う意識を持つことです。
ウイルスとどう戦いますか?
気によってウイルスを跳ね返し、
入ってきてしまったウイルスは内気のパワーを上げることで撃退させることができます。
これらの力は決して美を追求して得られるものではありません。
美を追求することを否定しているのではありません。
しかし年齢や体力に見合わない動作を目指したり、
間違ったトレーニングをしてしまうと確実に体を痛めつけてしまいます。
推手や散手が苦手だという人もいます。
苦手意識を持つのは仕方ありません。
しかし私が考えたプログラムではないということを知って欲しいです。
今まで何度も戦い抜いた数多くの先生方が継いで来られた貴重な伝統稽古なのです。
心を強くし、
体を強くし、
強く生き抜くための体に磨き上げるための鍛錬法です。
もしかしたらその苦手意識は相手を意識し過ぎているからではないでしょうか?
それは大きな間違いです。
本当の強さは相手を突っぱねることではなく、相手を受け入れることです。
先ほどと逆のことを言っているようですが、
いわゆる、相手がいない時は相手を意識し、
相手がいる時は相手ではないと意識することです。
相手を相手だと意識し過ぎると推手や散手の意味がいつまでもわからないでしょう。
肉体レベルで考えるのではなく、
人は見たもの触れたものと瞬時に繋がることができます。
繋がったエネルギーは空間を経てまた自分に戻ってきます。
怖がることはないのです。
相手とは自分が送ったエネルギーなのですから。
情報過多の今、情報に流されたり、人間関係を恐れたりしやすくなりますが、
だからこそ、目にみえない力を見たり、
身に付けたりすることが必要なのではないでしょうか?
太極拳で得られる力はおそらく皆さんの想像の外にあるでしょう。
そのためにはまずやってみることをおすすめします。