2017年8月5日土曜日

空気に溶け込む太極拳

大会を引退してから2週間とちょっと。
徐々に自分の中に変化が起きてきている。

特に今夜の楊式太極拳クラスでの全套路は最高に気持ち良かった。

「見せる」という意識から解放されると
太極拳はこれほどにも変わるものか?

動けば動くほど肩が軽くなり、
腕が軽くなり、
体が軽くなり、
そして自分の体が空気の中に溶け込んで行く。

まるで気の中をゆったりと泳ぐマンタのように。

昨日、数年間表演武術を習っていたある会員さんが、
套路の中で変わった動きをするから
それはなにかと尋ねたところ、
前の先生にこうするときれいに見えると習ったという。

その動きは武術的な意味を持たず、
勁力を下げ、
技としても使えない動きだった。
私はすぐに直すよう指導した。

美しくみせようとする心に放鬆はない。
持論だが、少なくとも私はそう。

太極拳の楽しみ方は人の分だけあっても良いと思う。
他人のことをとやかく言うつもりは全くない。

しかし、一度でもいいから放鬆の世界を味わって欲しいと思う。
もしその体験ができれば、
今まで広いと思っていた世界が途端に狭く感じ、そのことにショックを受けるだろう。
伝統太極拳の世界は宇宙のように広い。

その宇宙を意のまま自由に泳ぐことが出来るのが伝統楊式太極拳。

もし太極拳の流派に迷ったら、
一番に伝統楊式太極拳を選ぶことを強くすすめる。
規定套路の楊式太極拳ではなく伝統楊式太極拳。
同じ楊式太極拳でも全く違う。

美しく演じようという気持ちを捨てよう。
そうではなく、中から動くことが出来たら、
それがすでに美しいのだ。

楊式太極拳の創始者は無敵だったことから楊無敵と呼ばれていたという。
そして今、伝統楊式太極拳の医学的研究が急速に進んでおり、様々な難病を克服するという研究データが増えつつある。

絶対やって損はなし。
いつでも当会を訪れてみて欲しい。