2018年3月12日月曜日

定式ではない

最近私は演武をしなくなった。
音楽に合わせて太極拳を演武するのが楽しかった時代が終わったという感じだろうか。

今の自分の套路には規則的なリズムがない。
だから曲に合わない。

今のリズムは「採-引-渡-戻-増-圧-発」という流れで套路を練っている。
原理的にはターボジェットエンジンと似ているように思う。

そもそも太極拳は護身武術。
相手が打ってこなければ技を使うことはないし、
そもそも技が使えない。
だから推手で相手が打ってくることに対して慣れる必要がある。
恐れていてはいつまでたっても太極拳の技を身につけることはできない。

太極拳は相手の力を効率よく取り込みそしてそれを相手に返す。
その時に増幅することをする。
その増幅の方法こそ「地球の力を使う」ということになる。

相手からみれば、戦っているのは人間ではなく、
人間に見える地球ということになる。

なんだかややこしい話になってしまったが・・

今回話したかったことは、太極拳は定式ではないということ。
定式の部分だけをとれば、それは太極拳でなくとも、どんな武術や格闘技でも同じ。
いわゆる発する部分だから。
力いっぱい打てばいい。

そうではなく、その発するための方法が他の武術と違う。
その力をどうやって生み出すか?

私がこれまで師から学びながら研究しみつけた現段階の答えが、
相手の力をもらって、天地の力で増幅し、それを相手に返す。
その際に筋力は必要としない。

普段、私は自分の持ってる力を出すことは絶対しないが、
その力を生み出すための行いそのものが健康レベルを異常な程まで上げることができる。

全速で走っている学生達と並んで走ることが出来、
駅の階段も一段跳びでポンポン駆け上がり、駆け降りる。

普段ウォーキングやランニングもしないし、そもそも根っからの運動音痴。
学生時代、かけっこはのろまでいつもびりっけつだった。
そんな私が50代半ばにきて、確実にパワーが上がってきている。
風邪をひいて寝込むこともない。

太極拳の套路練習で大事なことは定式ではないんだ。
定式で発するために体の中で何を起こすかが大事。
私の場合、定式に行くまでの体の中は大忙しの状態になっている。

宇宙戦艦ヤマトが波動砲を打つ前、
機関室が大忙しとなるがアレと似ている。

その動きは明らかに演武ではなく、
発射するための準備をしているという感じ。

繰り返すようだが、これによって健康レベルが格段上がる。
そもそもパワーがなければ発射することはできない。
発勁の威力を高めようとする行いは体にイイということになる。

私が今、太極拳を通して一番伝えたいことである。