2020年10月5日月曜日

四十肩と五十肩について

四十肩と五十肩について考えてみました。

今まで様々な人と接してきて四十肩や五十肩で苦しむ人を見てきました。
腕を上げることが出来ず、本当に辛そうです。
見ているこちらも辛くなります。

さて、四十肩や五十肩の症状が起きる原因とはなんでしょう?

医学的には間接包が収縮することで起きるとされていますが、関節の動きをスムーズにするための潤滑油を包む袋が潰れてしまったような状態になるわけです。

オイルを入れないで車を動かそうとすると車は壊れてしまいますが、まさに肩がそのような状態になっていることになります。

25年間予防医学を勉強してきて、私の知る限りで言えば、これら関節の症状の根本的な理由は、老化による体力低下と栄養不足です。

栄養に関しては魚介類を食べましょう。これらに間接に必要な栄養が詰まっています。
魚介類が苦手なら、サプリメントで摂取する方法もあります。グルコサミンやコンドロイチン、EPAなどです。

体力低下に関しては、説明すると長くなるので簡単に言えば、酸化によるものです。
人間でなくとも物でも何でも必ず劣化します。
劣化の原因のほとんどは酸化です。
過度な運動や暴飲暴食、不摂生によって作り出される活性酸素が老化を早めます。

煙草吸わない、お酒控える、よく寝、よく食べ、適度に動くのが一番です。

特に大事なのが一番最後の適度に動くことですが、
これには太極拳がとても適していると言えます。

太極拳ではゆっくり動くので呼吸が深くなります。
邪気を吐き出し、神気を取り込むことで、疲れやストレスを飛ばし、パワーが漲ってきます。
太極拳をされている方は高齢の方でも皆元気です。

肩が上がらなくなるのは加齢と共に筋力が衰えてくるのに、肩を酷使するからです。
日常生活において必ず肩や腕を使います。

だからどちらしかありません。

筋力を養うか、
日常生活を諦めるか。

極論になってしいましたが、筋力がないのに腕や肩を使うと肩へのダメージを増大させてしまうからです。

良い方法があります。

必要な筋力を養いながら、なるべく筋力を使わない方法を身につけることです。
太極拳ではこれを勁力と呼んでいます。
(因みに過度なトレーニングは活性酸素を増やしてしまうのでお勧めしません)

勁力は脱力すればするほど増大させることができます。

勁力の正体はなんでしょう?

これも話せば長くなりますが、一言で言えば、「対抗しようとしない力」です。

太極拳で指導する時、毎回うるさいぐらいに最小限の力で動かすようにと繰り返します。
そうは言っても力を使っている人を数多くみかけます。
その理由は力の抜き方がわからないからです。

肩の力が抜ければ、大きな力を手に入れることができます。
これが太極拳や柔術で使われている力となります。

太極拳はゆっくり動くことでインナーマッスルを鍛えます。
インナーマッスルはつきにくく落ちにくい性質があり、遅筋と呼ばれますが、実際は速筋よりも速く大きな力を生み出すことのできる不思議な筋肉です。

腕の力は腕の太さに比例すると言われますが、それは腕だけで考えた場合です。
体全身を使った筋肉の使い方をすれば快活な老後を送ることが出来ます。

必要な筋力をつけ、勁力を身につける。
これが加齢と上手く付き合う最善の方法です。

私は太極拳のお陰で、四十肩も五十肩も経験せずにあと3年で還暦を迎えます。
還暦になっても六十肩になることはないでしょう。

繰り返しますが、勁力は対抗しようとしないことで生まれるチカラです。

逆らわない
受け入れる

地球上にある、あらゆる力と調和してみましょう。
そうすると水に浮かんでゆらゆら揺れているように心も体も軽くなります。

太極拳で目指すのは「強さ」ですが、それは自分に対しての強さを身につけることだと私は思っています。