2021年1月16日土曜日

「出来ない」から「出来る」へ

たまに稽古中に落ち込む人を見かけます。

ここで考えたいです。

落ち込む理由はなんでしょう?

もしかしたら教わったことがすぐにできないからではないでしょうか?

今までも何度か伝えてきましたが・・

太極拳では(ごく簡単なことを除いては)今出来ないことはすぐにも出来ないのです。

私自身、今出来ないことに対し落ち込んだことは一度もありません。
今まで教えてくださった先生方からも今すぐできるようになりなさいと指導されたこともありません。

太極拳の先生は知っているのです。
今すぐできないことを。

太極十年不出門という言葉がありますが、太極拳を修得するには10年掛かるという意味です。
ただ、この言葉には誤解が生じるかもしれません。

10年やれば太極拳が修得できるわけではありません。

この10年とは、今やっていることに対しての10年です。
いわゆる、今から10年後の未来に伏線を張る作業をしているのです。

今出来ないことに対し落ち込むのは今日限りにしましょう。
上達の妨げになるだけです。

そうではなく出来るようになっている10年後の自分を今から喜ぶんです。
少なくとも私はそうしています。

稽古中に落ち込んだりイライラしたことは一度もありません。
今出来ないことはすぐにはできないからです。

出来ないことがあったらこう考えています。

「どうすれば出来るようになるだろう?」

これだけです。

私がしかめっ面しながら稽古しているのを見たことがある人はいないと思います。
いつも楽しみながら稽古しています。
落ち込むことなど何もないからです。

「出来ない」から「出来る」へ伏線を張る。
そして、そのプロセスを楽しむ。

それだけです。

心から太極拳を楽しみましょう。