2017年7月25日火曜日

苦悩、努力、涙、そして新たな道 4 ありがとう

体育館入口付近の廊下で去年拳術チャンピオンOさんとばったり会う。
そして、Oさんは笑顔で手を差し出し「おめでとうございます」と。

私は自体が把握できず
「え?なにがですか?」と聞き返した。

するとOさんは「入賞されてますよ」と。

私は信じられなかったので「え?噓でしょ?」と聞き返した。
確かに場内アナウンスで私の名は呼ばれなかったように思えた。

この時、横にいた弟子は、飛び跳ねて喜んだ。
「えっ?!やったぁ!やったぁ!すごい!」
まるで自分ごとにように喜んでくれた。

私はそれでも信じられなく、順位表を見るために走ろうとしたその時
場内アナウンスが流れた。

「入賞された〇〇選手、表彰式を行いますので表彰台までお越しください」と。
私の名が呼ばれた。

ようやく私は自分が本当に入賞したと知った。
呆気にとられている私の横で弟子が私の分まで喜んでくれた。
そして表彰台に走った。

私は3位、銅メダル。
表彰台で賞状を受け取る時
何故か涙がこみ上げてきそうになったのを必死に堪えた。

おそらくこの5年間、自分と葛藤しながらも
死に物狂いで頑張ってきたことを思い出していたのだと思う。

暑い日は汗だくで、
寒い日は凍り付きそうな程の冷たい風に打たれながらも、
朝も昼も夜も夜中も頑張ってきた。

そんな私の姿を見て、そこに居合わせた人や通りすがりの方から励ましの言葉やエールを頂いたり、顔見知りの方もいつも応援してくださった。
人の温かみを感じる瞬間であり、そして多くの方々から力を頂いた。
本当に有難いことだった。

私が5年前始めて大会に出た時、すでに決めていた。
4年で勝負を決めると。
そして引退しその後は思いっきり伝統の修行をしようと。

最後の最後に私は嘘ではない自分の演武をし、そしてメダルもとることができた。
これ以上最後に相応しい結果があるだろうか。

今まで頑張ってきて本当に良かった。
最後まで諦めないで本当に良かった。

自分の演武をし、
そして皆の期待に応えることが出来た。

どちらかを選択しなければならなかったはずなのに、
どちらも達成できた。

そしてこれからは自分を偽ることなく、本当にやりたかった修行に専念できる。
今まで味わったことのない達成感と共に開放感が得られた。

*****

今まで私のことを応援してくださった方々に心から「ありがとう」と言いたいです。
絶不調の中、最後の舞台で奇跡が起きたのは、間違いなく皆さんのお陰です。

私のことを心から心配してくれ、励ましてくれ、優しい声をかけてくれ、笑顔で手を振ってくれ、涙を流してくれ、エールを送ってくれ、盛大な拍手をして頂いたこと、本当に嬉しく励みになりました。
私が悔いなく選手人生を終えられたのは本当に皆さんのお力によるものです。

そして、私にこのような素晴らしい機会を与えてくださった府連盟の方々に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。




<過去5年間の大会全実績>

2013年
奈良県武術太極拳競技会 剣刀種目 3位
全日本武術太極拳選手権大会 剣刀種目 18位

2014年
奈良県武術太極拳競技会 拳術種目 優秀賞
奈良県武術太極拳競技会 楊式太極拳 2位
奈良県武術太極拳競技会 呉式太極拳 2位
奈良県武術太極拳競技会 剣刀種目 2位
全日本武術太極拳選手権大会 剣刀種目 14位
中国伝統武術近畿交流大会 拳術種目 銅賞
伝統武術観摩交流大会W1-GP 形意拳 銅賞

2015年
奈良県武術太極拳競技会 拳術種目 優秀賞
奈良県武術太極拳競技会 楊式太極拳 2位
奈良県武術太極拳競技会 剣刀種目 2位
全日本武術太極拳選手権大会 剣刀種目 10位
中国伝統武術近畿交流大会 器械種目 銀賞
中国伝統武術近畿交流大会 拳術種目 6位

2016年
奈良県武術太極拳競技会 拳術種目 優秀賞
奈良県武術太極拳競技会 楊式太極拳 2位
奈良県武術太極拳競技会 剣刀種目 2位
全日本武術太極拳選手権大会 剣刀種目 10位
中国伝統武術近畿交流大会 器械種目 4位
中国伝統武術近畿交流大会 拳術種目 8位

2017年
奈良県武術太極拳競技会 拳術種目 優秀賞
全日本武術太極拳選手権大会 拳術種目 23位
中国伝統武術近畿交流大会 器械種目 銅賞
中国伝統武術近畿交流大会 拳術種目 5位