人間は二足歩行しているが、実際歩いている時は1本足で歩いてる。
もし二本足で歩くとすればそれはうさぎ跳びになる。
つまり、人間は立って歩けるようになってからずっと1本足で立てるということ。
そのようなバランス機能が備わっている。
ところが太極拳で分脚(ぶんきゃく)や踵脚(とうきゃく)になるとぐらぐらしてしまう。
何故だろう?
その答えは・・
意識しているから
更に正確に言うならば意識し過ぎているから
ぐらぐらする人のほとんどが、足を上げよう上げようとしている。
その上げようとしている意識が軸感覚の邪魔をしているということになかなか気づけない。
では、なぜ教室までぐらつくことなく歩いてこれたか?
意識しながら一歩一歩踏み出して歩いてきただろうか?
多分そんな人はいないはず。
足を上げる度にぐらぐらするのは、意識するということのスパイラル(悪循環)から抜けられなくなっているケースがほとんど。
ここでひとつアドバイス。
上達するということは上達の妨げになることを切り捨てて行くことでもあるということ。
うまくいかない方法を何度繰り返しても、決してうまくいかない。
寧ろそのことを学習しなさいというメッセージ。
もしぐらつくことで悩んでいるのであれば、
今日からでも「変わろう」と考えて欲しい。
うまくいかない方法に固執するのではなく、
うまくいかない方法はバッサリ切り捨てる。
ゴミ箱に捨てる。
そしてその固執している時間をうまく行く方法を探すことにあてる。
いつも言うことだが、
上達するには素直になること。
素直こそ最強であり無敵であるということを知って欲しい。
もう一度思い起こして欲しい。
人間はいつも1本足で歩いている。
つまり1本足で歩くことのできることに長けている。
それにもうひとつ。
私が指導する際にいつも言う事だが、
足を上げようとしないこと。
上げるのではなく放つ。
分脚の時は爪先から、
踵脚の時は足裏から、
氣を発射する。
足を上げようと力を入れてはいけない。
バランスを失うばかりか氣の通りを阻害する。
実際に蹴ってみるとわかる。
力んで蹴ろうとするのと脱力して蹴るのとでは脱力して蹴る方が圧倒的にパワーがある。
脱力することで氣が流れるからだ。
「できない」
という気持ちをゴミ箱に捨てる。
そして、
「できる」と信じる。
これだけで、自分の太極拳がぐんと変わるはず。