昨夜の武術班稽古は、弟子達もそろそろ慣れてきたと思ったので、
気功はほとんど黙って、ほぼ無の状態で行った。
これが実に良かった。
この時点で疲れていた身体がすっと軽くなった。
その後、伝統楊式太極拳の新架式(仮称)をゆっくりと時間をかけて行った。
特に意識したこと。
套路の正しい形や太極十要である姿勢や動作、
これらをすべてぶっ壊し、呼吸と気の流れだけを意識。
次第に体の中から燃え上がるようなエネルギーが噴き出し、
同時にじわ~っとほとばしる汗も噴き出した。
9月に入ってからもずっと猛暑だった今年の夏の疲れがとれず、
ずっと重い体を引きずっていたが、
この套路でその疲れが一気に吹っ飛んだ。
どういうしくみでそうなったかはわからないが、
気血の巡りがよくなり疲労物質が素早く回収され、
更には免疫力が上がり、
疲れた筋肉に潜んでいたウイルスも一気に全滅したのだろう。
目には見えない世界だがそういう感覚があった。
実は套路を始める前、弟子達にひとこと言った。
「今日はあまり調子が優れないからいつも通りにできないかもしれない」と。
多分これを言ったことも良かったのだと思う。
手本となるような良い演武をする必要がなくなり、
内面だけに没頭することができたから。
基本は大事。
絶対に大事。
しかし基本ばかりでは進化はしない。
基本がしっかり出来るようになったら、
それを破壊する。
破壊しようとしてもしっかり基本をやってきたから、結果的には基本が揺らぐことはない。
しかしその破壊しようという意識が、猛烈なパワーを生み出す。
ますます太極拳が面白くなってきた。