「見る力を養う」
見ることは聴くより大事です。
もちろん聴くことも大事なのですが、
教わったことを言葉に変換し、またその言葉を動作に変換するのでは効率悪くないですか?
本を読んで独習するならまだしも、
目の前に手本を見せてくれる人がいるなら、見たままやればいい。
まんまやればいい。
それでも、ある程度のレベルに達すると、形だけでは通用しなくなります。
どんなに奇麗な動きをしても奇麗でしかないものになってしまいます。
太極拳は武術です。
武を意識しなければ決して武術になることはありません。
(舞踊やスポーツとしての太極拳をするなら別です)
何を見るか?
姿勢や動作は散々見てきたはずです。
私が師を見る時は出ている空気を見ます。
いわゆる「氣」です。
どこに氣を集めて、
どこに発射しているか?
それを見ることによって、後々、動作や姿勢の意味を知ることができます。
「なるほど、だからこの姿勢なのか」
「なるほど、だからこの動きなのか」
といった具合です。
私は若い頃にバンドでロックをやっていたせいで耳が遠くなりました。
言葉があまり入ってきません。
だからその分見ようとします。
視力が弱い人はその視力の弱さを活かすべきです。
メガネやコンタクトを外し見てみましょう。
今まで見えなかったものが見えるのではないでしょうか?
少なくとも私が師を見る時は、わざとピントをぼかして見ます。
どこかに一点に焦点を合わせてしまうと太極拳の動きを見ることはできません。
なぜなら太極拳は気を用い体全身を使うからです。
自分の弱点を活かす。
もしかしたら見えなかったものが見え、新しい感覚が身につくかもしれませんね。