套路や推手をやればやるほど、站椿功(たんとうこう)、立禅(りつぜん)の重要さに気づかされる。
そして、実践する。
明らかに演武が変わる。
が、これらの練習は実に地味だ。
やる気がしない。
この恩恵を実感できればすすんでやるようになるのだが、そうでないうちはどうしても後回しになってしまう。
そんな時、私は1分だけやろうと決めてとりかかる。
1分でもやる気がしない場合は30秒でもいい。
とにかく始めてしまえばいいのだ。
人間というのはわがままな生き物で制限されると超えたくなり、過剰に要求されるとサボりたくなる。
だから、あえてやりたくないことに制限を掛ける。
「決して1分以上してはいけない!」
とか。
そうこう言ってるうちに、私は体がうずきだしている。
今すぐにでも三体式をやりたいと。(笑)
安定した演武は安定して立つことから始まる。
立つことができないものが安定して動けるわけがないのだ。
コマや自転車のように逆のものもあるが、太極拳ではコマや自転車のような遠心力や推進力を利用できない。
ひたすら軸を保ちながら動くしかないのだ。
軸感覚と、足を前に送り出すための筋力と片足で全身を支えるための筋力。
いずれもインナーマッスルだ。
やはり站椿功(たんとうこう)がいいということになる。