2015年1月15日木曜日

指導のこと、故障のこと、気功のこと

最近サークルを行っていて感じたことをいくつか。

まず指導について。
指導するということは責任が伴う。

学ぶ側は自分の好きなように捉え自分の好きなようにできるが、
指導する側はそうはいかない。
正しい技法を教え、悪い癖を正さねばならない。
無論それを自ら身を以て示さねばならない。

だから、サークルの時は雰囲気づくりにも気を配りながら緊張感をもって指導を行っている。
指導者がいい加減なことをすると学ぶ側にも悪い習慣が身についてしまうからだ。

以前、私は「教えることは学ぶこと」と言ったことがあるが、
しかし、それは例えば家族や友達にちょっと演武や技を披露する程度のものであり、
指導するということであればそれはまた別問題。

先程も述べたように指導することに関しては責任が伴う。
これから学ぼうとする人は教えられたことを練習しようとするから適当なことを教えてしまうとその場だけの問題だけでは済まなくなる。
責任重大なのだ。

よって、会員さん同士相談し合ったりする程度なら良しとするが、
指導することに関しては今後指導向けの研修を受けていないものは指導してはいけないものとする。
正しい太極拳を身につけて欲しいと思うからこそだ。

次に故障について。
膝の痛みや故障について訴えてくる会員さんが今までにちらほら。
太極拳はゆっくり動くから膝への負担は小さいと考えてしまいがちだ。
それは大間違い。
ゆっくり動かすからこそ膝に負荷がかかるのだ。
だからこそ正しい歩型と歩法をまず学ばねばならない。

地味でつまらない練習だが、私自身、膝を痛めた経験があるので、サークルでは毎回歩法練習を行う。
耳にタコが出来るぐらい同じことを繰り返し伝える。
皆の健康を願ってのことなのでどうか解って欲しい。

正しい歩型と歩法は正しい太極拳を生むが、悪い習慣がついてしまえばそれはもはや太極拳ではなく、体に悪影響を与えてしまう運動になってしまう。
だから、私が注意すべきことにしっかり耳を傾け、しっかり習得して欲しいと心から願う。

指導する立場にとって膝の痛みや故障の訴えは本当に辛い。
勝手な思い込みで練習を続けることはどうか避けて欲しい。
解らないことがあればメールでもいいのでその都度聞いてもらえればいくらでもお答えします。

それよりも、私は抜筋骨と立禅を行うことを強くおすすめする。
覚えた型を忘れないように家でおさらいするのはいいが、
あやふやなまま套路の練習を行うと足腰を鍛えるどころか関節を痛めてしまいかねない。

抜筋骨は体をゆるめるための体操。
これはいくらやってもいい。
やればやるほど体にいい。
頭も体もスッキリする。

次に立禅。
これもいい。
太極拳の基本中の基本。
そもそも正しく立てないものが正しく歩くことなんか出来ないし、太極拳ともなれば尚更。

まずは両足でしっかり立つ練習をする。
正しい姿勢で立ち、ゆったりとした呼吸で気を沈め、自分自身に力みがないか問いかける。

最近、毎日熱心に気功を行う会員さんがいる。
確かに姿勢が良くなったし、動きも安定してきた。
それになにより、勁力(沈墜勁)が身に付き、彼女を押してみた時にそのことに気付いた。

沈むことを覚えると太極拳の上達は早い。
沈むことは身体だけではなく気も沈める。

ここに時間をかければ柔軟運動と型だけしか練習しないより10倍は太極拳の習得が早くなる。
それを証明してくださっている先生方もおられるし、
私自身もそれを身を以て証明していきたいと思っている。