楊式太極拳以外はほんの少しかじった程度だが、
陳式、呉式、孫式などの流派と比べ
楊式太極拳はひたすらゆっくり連綿と套路を練ることに徹する。
陳式太極拳のように発勁動作がない代わりに、
確実に違った感覚があるが、それは柔らかい気に包まれるような感覚だろうか。
ゆっくりと呼吸するように動く。
途切れることなく連綿と。
例えば、狭い部屋の中で套路を練っているとどうしても壁にぶつかってしまい
その都度下がってはやり直さないといけない。
こうすると折角繋がっていた糸が切れてしまう。
仕方のないことなのだが、だからこそ連綿と動くことの重要さに気付かされる。
昨日、Mさんの要望で25分かけて伝統楊式太極拳を二人で練ってみた。
今にも止まりそうなほどゆっくりとした動きなのに、体がどんどん熱くなってくるのがわかる。
気がつけば、やさしくもしっとりとした気に包み込まれ、ゆるやかな動きの中に気の摩擦を感じる。
ゆっくり動くと片足になる時間が多くバランスが難しくなるはずなのに、
なぜか回っている独楽のように軸が安定する。
とても不思議な感覚だ。
今日はさらに5分延長して30分かけて套路を練ってみた。
そしてまた新たな感覚が得られた。
これからは套路の回数をこなすことよりひとつの套路に時間をかけてみようと思う。
実は試合向けに繰り返すだけの套路ばかりしていて、なにか大事なものを失った感覚があるし、
見えない壁にぶつかっている感じもする。
いずれ楊式太極拳を1時間かけてやってみたいと思った。