2015年2月24日火曜日

勁力は一日にしてならず

太極拳を知らない人、始めたばかりの人は数カ月で太極拳を習得できると思うようだ。
まあ、私もそのひとりだったのだが。(苦笑)

中には「〇〇太極拳を〇カ月でマスター」などという広告もあるようだが、
太極拳を数カ月でマスターできたら世の中太極拳の達人だらけということに。

太極拳の型そのものは半年から一年で覚えられるでしょう。
そして5年もすればそこそこ自信もついてくる。
しかし、5年ではまだ太極拳とは言えないと思う。
20年、30年続けている先輩方もまだまだだと仰るぐらいだ。

「千里の道も一歩から」というように
じっくり取り組むのがいい。

そして日々少しずつ自分の中で変化していくのを感じるのがいい。
それこそが太極拳の楽しみだと。
ご馳走を、すぐに食べてしまうのではなく、10年20年かけて食べるような感じだろうか。

とにかく焦らぬこと。
「急いては事をし損じる」というが、太極拳にぴったりの諺だ。

私は太極拳を始めて12年になるが、まだまだ自分の演武も中身も全く納得できていない。
でも毎日少しずつ変わってきていることも事実。
この少しずつがいいのだ。

筋力は一日でもつけることができるが勁力は決して一日ではつかない。
でも勁力は筋力よりもはるかにスピードが早くしかも破壊力も凄まじいと言われる。
それがどれだけのものなのか?

その感覚を得る時こそ私にとっての唯一の楽しみだ。