何度か来る返し套路の練習をしていると何やら異変に気付く。
手足で動いていたと思った動きが、中から動き出している感覚。
これはそうしようと思ってできることではなく、
そうなる状態まで練習を繰り返すという感じだろうか。
私の場合腕を磨く方法はテクニックではないと思っている。
真似ることはできるだろう。
しかし、実際の技や術はテクニックではない。
たくさん練習したものだけが得られる特殊能力なのだ。
頭で考えてはいけない。
信じること。
とにかく信じること。
そうすると丹田を中心とした体感に何か別の生き物が入ったかのように動き出す。
自分の意識とは別に何かが動き出す。
しかし、その意識は自分の意識であったことも思い出す。
かなりマニアックな話になってしまったが、
自分の中の自分を覚醒させる方法は内面に目を向けること。
そしてたくさん練習を積むこと。
確実に動きが変わる。
私の感覚では全細胞が覚醒する感覚。
或いは体内の水分がゆらぎを起こす感覚。
太極拳の楽しさは無限大だ。
型をしっかりマスターしたら、今度は内面の世界を探求してみよう。