2016年10月10日月曜日

心によってもたらすもの

昨夜、帰宅したのは日付が変わってから。
終電近くの電車はほとんど座ることが出来ないので立ちっぱなし。
クタクタになって帰ってきた。

午前から大阪に向かい、新しい練習場所の見学と契約手続き。
その後は、2時間個人レッスンの指導をし、天満で大阪稽古指導。
終わってからかるく一服し、その後は終電近くまでポスティング。

天満と言えば飲み屋街。
土曜の夜ともなると、すごい人だかり。
あちこちのお店からワイワイガヤガヤ楽しそうな声が漏れ、
その中をかすめながら、スタッフのMさんとポスティングに向かう。

人が遊んでいる間もこちらは仕事。
もうここ数年、飲みに行ったり遊びに行ったりしていない。
(まあ、そもそも私は飲めないのだが・・)

とにかく、一人でも多くの人に太極拳を伝えたい。

なぜそこまでして太極拳を伝えたいと思うか?
それは私が太極拳を始めた理由。

一日中パソコンに向かって仕事をしていたことによりどんどん体力が衰え、
それと同時に精神力まで衰えて行くのがわかった。
気がつけば仕事三昧で、30代にして5分と歩けないほどの体に。

その時に出会ったのが伝統楊式太極拳。
始めてからというもの私はみるみる体力と精神力を取り戻した。

もし私が楊式太極拳と出会ってなければ病気で死んでいたかもしれない。
それほど私の体はガタガタだった。

私にとって一番辛いことは人が苦しむこと
病気。

病気で苦しんで欲しくない。
31年の闘病生活を送ったから病気の辛さはよくわかる。

残された人生を楽しく過ごして欲しい。
笑いながら死んで、あの世に行っても笑って過ごして欲しい。

体調が悪いとか、怪我をしたとか聞くと辛くなる。
元気になって欲しい。

だから、私は自分が元気を取り戻した楊式太極拳を一人でも多くの人に広めたいと思っている。

そんな想いもあり、今回、三国志祭りで行った楊式太極剣のPVをつくった。
撮影時間は恐らく2時間分はあろうかと思う。
その中からひとつの作品につくりあげるため様々なシーンを拾い出し、
それを音楽に合わせ繋ぎあわせた。

制作時間は約10時間。
食事をとることも忘れる程熱中して作業に取り組んだ。

あのPVはウケ狙いでも、自己満足のためでもない。
今回共演してくれたMさんへのご褒美でもあったが
とにかく、一人でも多くの人に楊式太極拳の素晴らしさを伝えたかった。

心に伝わるもの。
決してカタチやテクニックではなく。
ハートを感じて欲しかった。

私は基本的に心が動かなければ動かない。
仮に、100万払うからPVをつくってくれといわれても心が動かなければ断っていただろう。

心が動かないことはしない。
それが自分なりの生き方なんだ。

前事業で頑張っていた時、知人である見込み客にこんなことを言われた。
「お前は真面目過ぎる」「もっとうまくやれ」と。

私は言い返してやりたかった。
「真面目で何が悪い!」と。

その後私の事業は小さいながらも成功を遂げ
その頃、ある仕事仲間からある依頼を受けた。
会社を立ち上げるからシステムを作って欲しいと。
報酬は1000万は出せるとのことだった。
私は迷わずその場で断った。

もしかしたら私は大馬鹿なのかもしれない。
その1000万円があれば新事業を始められたかもしれない。
しかし私がその会社を手伝うことは、私自身のグループを裏切ることになる。
だから断った。

1000万円もらっても自分自身に嘘をつくのは嫌なんだ。

話は変わるが、
音楽活動をしていた頃、自分たちの音楽を世の中に広めたい一心で毎週のように新宿駅前でストリートライブを行った。
発電機2台を導入し大音量のロックサウンドを新宿の街中に轟かせた。

今では東京でのストリートライブは違法となってしまったが、
実は密かに私は責任を感じている。
その後のストリートミュージシャン達に対し申し訳ないことをしてしまったと。。

いずれもその時に集まってくれた一人のリスナーが言ってくれたことを20年以上経った今でも忘れない。

「魂を感じた」と。

まさにそうだった。
自分達は音楽を聴いて欲しかったのではない。
ハートを感じて欲しかった。

実は今でもそれは変わらない。
上手い演武をしたいんじゃない。
演武を通して生きざまを見て欲しいと思っている。

生きることに真剣であること。
人々を救うことに真剣であること。

何人かの会員さんは「先生についていきます」と言ってくれる。
またある会員さんは「春日が愛おしい」と言ってくれる。
「何でもっと早く入会しなかったのか後悔しています」と言ってくれた会員さんも。

これらの言葉が私にとってどれほど励みになるか。

私もまた「春日を選んで良かった」と死ぬ間際に言ってもらいたいと思っている。
それが自分の使命だと思っているから。

私にとっての休日はまだまだ先になりそうだ。

***

ここまで読んでくださってありがとうございます。

伝統楊式太極剣PV 「もう一つの神話」