2017年2月15日水曜日

褒められない!

私が約2年間制定拳を習っていた時、
その先生は一度も私を褒めてくださったことはなかった。

正確に言えば一度だけ褒めて頂いたことがあった。
「脚上がるようになったね」
それ一言きりだった。

当時は褒められたい一心で、来る日も来る日も我武者羅に練習した。
本当に狂ったように練習した。

そして、出来なかったことを出来るようにし、それを先生に見せるのだが
何も言ってもらえなかった。
そして2年目にきて遂に私はやる気を失ってしまった。

しかし、その時に得られたものは非常に多い。
あの頃の自分があるからこそ今の自分がある。

今思えば先生には私の性格を見抜かれていたのだと思う。
私の欠点は褒められると調子に乗ってしまうことだから。

後で聞いた話だが、
私のいないところで先生は私のことを頻繁に話題に出し、褒めてくださっていたのだそう。
出来ないことを次にはきちんと出来るように練習してくると。

そして今教える立場になって、ようやくその気持ちがわかった。

意欲的な人、出来る人にはついつい期待してしまう。
だから褒めている暇がないのだ。

まだ行ける。まだ行ける。
という気持ちがあるからどんどん課題を与える。

だから、私はこう思う。
無言こそ最高の誉め言葉だと。

課題を与えられるということは期待されているということ。
それだけ買ってくれてるということ。

因みに私は嘘はつけないタイプ。
出来ていれば出来ていると言うし、
出来ていなければうーんと唸ることになる。

因みに唸るのはどうすれば出来るようになるか考えているから。
この時私の頭の中は大忙しになっている。
単に言って聞かせるのではなく、私がどうアプローチすれば理解が深まるか。
それを考えている。

相手を変えたければ自分が変わること。
これは数多くの失敗から学んだこと。

常につねに良い指導をと思う。