表演とはどういうものだろう?
美しい演武をするのが表演?
それともカッコいい演武をするのが表演?
あるいは派手な動きで人を驚かせるのが表演?
どれも素晴らしいし、
どれも表演だと思う。
しかし当会が目指す表演はちょっと違う。
言葉で言い表すのは難しいが、本当に純粋な演武。
ありのままの演武。
太極拳が太極拳であるがままの演武。
どういうことかと言うと、演じるのではないということ。
演じるというのはある意味嘘の世界。
私は音楽をやっていた関係で周りに芸術家は多い。
そして皆が口を揃えて言うことは芸術は虚偽の世界だと。
確かに絵の世界も映画の世界も現実ではない。
最近の映像技術は本当に素晴らしい。
技術の進歩のお陰で美しい映像を高画質で見ることができる。
CGの技術も素晴らしい。
しかし、どんなに美しくとも、それはあくまでもつくられたものであって本物ではない。
単に綺麗な映像を見て涙が出るだろうか?
しかし美しい夕日を見るととても感動する。
当会が目指したい表演このようなもの。
私は決して技術的なことをあまり細かく指導しない。
どちらかといえばメンタル的なことを話すことが多い。
どんなに発表会の時期が迫っていようとも、苛立った空気は決して出さない。
常に常に柔らかい空気をと考えている。
先ほども話したように
太極拳が太極拳であるがままの演武を目指したいから。
今回で3度目の発表会になるが、これまで行った発表会も大変素晴らしかった。
何故あれほど感動できたのだろう?
それはわからないが、
決して美しさを目指した結果ではない。
チーム全体が一丸となり、心がひとつになった結果だと思う。