太極拳がなかなか覚えられず伸び悩んでる人は、
一点にピントを合わせ過ぎているためだと思う。
私が師の動きを見て覚えようとする時、
どこかにピントを合わせることはしない。
なぜならピントを合わすと他の部分がぼけてしまい
結果見なかったことになってしまう。
最近、加齢によって老眼が進み、物を見る力が弱ってきた。
本を読む時や標識などを見る時は苦労するが、いいこともいっぱいある。
ぼけて見えるからこそ発見できることもたくさんある。
最近のデジタルテクノロジーは物凄いスピードで進化しているが
例えば動画の画質がどんどんよくなってきている。
本物よりリアルなのでは?と思うほど。
しかし私はあまり画質に拘らない。
今の画質でも十分だと思うし、
あまりにもリアルに見えてしまうと、見たくないものまで見えてきそうで怖い。
話が脱線しないうちに戻そうと思う。
太極拳を最初に覚える時は、まずはざっくりと覚える。
木彫りと同じで、まずはざっくり削って、その後じっくり彫刻刀で彫って行く。
細かなことはあとでやればいい。
だから、見て覚えようとする時は、
あまり先生の近くに寄らず、少し離れてぼんやりと見る。
こうして見ると、姿勢や全体的な動きが際立って見えてくる。
最初にしっかり学ばないといけない部分だ。
最初はどうしても手ばかり見てしまう。
そうすると手だけしか覚えられず、姿勢や歩型がめちゃくちゃになる。
これはよくない。
手品師はこれを逆手にとって、相手の目を手に惹きつけ、タネが見えないようにする。
太極拳の場合は、そのタネ(基本原理)である姿勢と動きが大事。
これを見るにはピントをぼかすこと。
ぼんやりみて、とにかく真似てみる。
これが一番の上達法だと思う。