2022年1月31日月曜日

太極拳に依存してはいけない

太極拳は免疫力と治癒力を上げることができます。

私の経験からしてあえてその効果は「驚異的」と言わせてもらいます。

内臓損傷>5日で回復
骨折>3日で回復
風邪>15分で回復
捻挫>30分で回復
内出血>2時間で回復
打撲>即時回復
脱臼>2時間で回復

全て事実です。

これが太極拳の効果です。

ただ、怪我や病気の度合いによっては太極拳だけでこれほど早く回復しません。
太極拳の健康効果はもはや私が語るまでもなく世界的に認められています。

しかし太極拳に依存してはいけません。

どういうことかというと、
太極拳をやっているから、暴飲暴食喫煙寝不足不摂生OK!
ということではないということです。

逆です。

太極拳をやっているからこそ、
こうしたことに気を配りましょうということです。

また、怪我の場合はその修復に必ず栄養が必要です。

考えてみてください。
家の壁が壊れたとします。
放っておいて直りますか?
壁を補修する材料が必要ですよね?

人間も同じです。

体調不良や怪我が多いのは、それらを作ったり修復したりする材料(栄養)が足りていないからです。

人間の体は大まかに、水とタンパク質で出来ています。
だから良質の水と良質のたんぱく質をしっかり摂れば、良質の体が出来るということです。
私は体に入れるものはかなり拘っています。

太極拳に依存してはいけません。
太極拳をやっているからこそ、栄養と睡眠にも徹底的に拘ってください。
放っておいて治るのは20代半ばまでです。
それ以上になったら、体をつくる栄養をしっかり摂らなければ様々な病気を引き起こし、怪我が増えます。

あえて言い切ります。

私が地元奈良で太極拳教室を立ち上げたのは、私自身が数々の病気を克服し、成し得た健康法を伝えながら、多くの人々と健康の喜びを分かち合いたいと思ったからです。



2022年1月28日金曜日

解らないと言えること

あくまでも私の場合ですが、

解らないことを解らないと言える武術家が一番カッコいいと思います。

実際そうなのです。

経験していないものを頭の中で分析したり推測するのは自由ですが、
それを最もらしく言うのは違うような気がします。
門派が違えば、技も技法も力の使い方も違うからです。

例え、同じ太極拳でもひとくくりにしてしまってはいけないと思います。

私の専門は楊式太極拳ですが、
陳式太極拳や呉式太極拳の先生とお手合わせさせて頂いた時、楊式とはかなり違うことを知りました。
呉式太極拳は楊式太極拳から派生したものなので共通する部分は多いですが、とはいえ、やはり違います。

やはり長年学ばねば解らないことが多く、
その威力は実際に手合わせしてみなくては解りません。

楊式以外には双辺太極拳も修練していますが、
その他にも陳式、呉式、孫式も少しだけ学びました。

とはいえ短い套路を覚えただけです。
勁の使い方や戦術は知りません。

他流の動画等を拝見すると凄いなと思うものばかりですが、
確かにそれらとの共通点を見つけることも出来ます。

しかし、それはあくまでも視覚的な情報だけであって、実際に技を掛けられてみなくては、その本質は決して解りません。

だから、私は憶測だけでそれらを決定づけることはしませんし、
もしかしたらその憶測ですらその流派の技(罠)かもしれません。
少なくとも楊式太極拳にはそのような技が数多く潜んでいます。

他の武術や武道経験ある人が当会の稽古を経験すると、
まず楊式太極拳の技にとてもビックリされます。
いわゆる「想像と違った」ということです。

太極拳と柔術は共通点が多いですが、それでもやはり違います。
太極拳は本来、陰陽論を元に仙道から生まれた武術なので、物理学の他に霊子力学が含まれます。
これも実際に経験すると、今までに経験したことのないような驚きと恐怖を感じます。

だから推測したり模索しても無駄なのです。
そもそも推測で解ってしまったら武術ではありません。

合気道の技を掛けてもらったことがありますが、見た目のダメージはそれほどでもないように見えますが、腕を掴まれた瞬間にかなりの痛みが走ります。

柔術である心眼流もその名称とは裏腹に技を掛けられると骨を砕かれるような痛みを受けることになります。

経験しなくては解らないことです。

その他にも心意拳、形意拳、意拳、陳式太極拳などの内家拳の先輩や先生方とも手合わせさせて頂いたことがありますが、流派が異なるだけのことはあり、それぞれに独特の技法があります。
決してひとくくりには出来ません。

心意拳の崩拳を喰らうと、翌日までその痛みが続きます。
八卦掌の穿掌をまともに喰らい激痛が2週間続いたこともあります。
形意拳の勁返しを喰らって1年以上痛みが残ったこともあります。

とにかく動画を観ただけでは決して解りません。

だから他流の方との交流ではそれらのことをリスペクトすることが大事だと思います。

解らないことを解らないというのは大事だと思います。

私の場合は解らないとハッキリ言います。
解らないことを解ったように言うのは嘘になるからです。
その嘘がバレるのは時間の問題でしょう。

動画だけでは解らないことが多すぎて解析すら出来ないことも多々あります。
だから、ただただ凄いとしか言えません。

そもそもぱっと見で、手の内が解ってしまうのであれば、
功夫もまだまだそこまでということになるでしょうから。

他流の魅力はやはり想像の裏にある秘密(秘伝)にあると思います。



2022年1月23日日曜日

ハリと柔らかさ

これまでたくさんの会員さんの推手をしてきましたが、少しずつ良くなりつつあるものの、まだまだ硬い人が多いです。

ハリがなく、硬い。

推手は太極拳の練度を測るバロメーターのようなもので、手を触れた瞬間に相手の実力が解ります。

ほとんどの人がテクニックで推手の上達を試みようとするようですが、テクニックだけでは限界があります。

推手は心の状態をそのまま反映するので、心を磨かなければ自分の推手が変わることはありません。

必死で支えようとしたり、
崩されることを過剰に恐れたり、
いいところを見せようとしたり、
自分を隠そうとしたり、
誤魔化そうとしたり、
鼻っから真剣にやろうとしなかったり・・

全て解ってしまいます。

ひとつだけコツがあります。

テクニックではありません。

それは・・

「諦める」ことです。

無駄な抵抗はしないということでしょうか。

推手に限らず人間実力以上の実力を出すことなど無理なのです。
実力をつけたかったら練習あるのみです。

そういったメリットのない雑念をすべて捨て去り、
相手に合わせてみませんか?

自分のことばかり考えてしまい、相手を感じようとすることを忘れてしまっているのです。

私はいつも冗談のように「思いやりが大切」と言いますが、
相手を感じようとすることが太極拳で一番大事なことなんです。

そのように心を切り替えれば、自分の推手が
ハリがあり、柔らかい推手に変わって行くでしょう。






2022年1月22日土曜日

暴力か?武術か?

最近思うことをちょっと書かせてください。

SNSはとても便利なツールです。
同じ趣味をもった仲間とすぐに出会うことが出来ます。
お互いの刺激にもなるし勉強にもなります。

しかし武術対練(対打等)に関しては十分気をつけねばいけないと思います。

たまに痛々しい映像を目の当たりにしますが、
SNSや動画サイトを見ている人は常識人ばかりではなく、辛い状況や過酷な状況の中で生きている方もおられると思います。

最近無残な無差別殺人が増えていますが、犯人は常識人でしょうか?
何もなければ人を殺そうなどとは思いません。
何かあるからです。

その動機を与える側になってはならないと思います。

この世をもっと良くしていこうと思うなら、
素人が見て暴力と見境の付かないような技は控えるべきだと私は考えます。

私自身武術をやっていて一番恐れるのは、
自分が負けることや怪我を負わされることではなく、
仲間に怪我を負わせてしまうことです。
本当にこれが一番辛いことです。

怪我だけで済めばよいですが、武術は勝敗を決めるための格闘技と異なり、生死を争うための術です。
そのため多くの殺人技を含みます。
それをネット上で大々的に披露するのは武の道から外れるのではないかと思うのが私の考えです。

武術は自分自身を鍛えるための修行であり、他人を傷つけるためのものではありません。
我欲(強さの誇示)のために人を傷つけてはいけません。

本気で平和な世の中を望んでいます。

***

追記:
私の場合、SNSや動画サイトでの暴力的な動画アカウントはミュートやブロックするなどして影響されること(心の乱れ)を防いでいます。
最近、得たこれらの情報は、私自身がみつけたものではなく人から噂で聞いたものばかりです。