これまでたくさんの会員さんの推手をしてきましたが、少しずつ良くなりつつあるものの、まだまだ硬い人が多いです。
ハリがなく、硬い。
推手は太極拳の練度を測るバロメーターのようなもので、手を触れた瞬間に相手の実力が解ります。
ほとんどの人がテクニックで推手の上達を試みようとするようですが、テクニックだけでは限界があります。
推手は心の状態をそのまま反映するので、心を磨かなければ自分の推手が変わることはありません。
必死で支えようとしたり、
崩されることを過剰に恐れたり、
いいところを見せようとしたり、
自分を隠そうとしたり、
誤魔化そうとしたり、
鼻っから真剣にやろうとしなかったり・・
全て解ってしまいます。
ひとつだけコツがあります。
テクニックではありません。
それは・・
「諦める」ことです。
無駄な抵抗はしないということでしょうか。
推手に限らず人間実力以上の実力を出すことなど無理なのです。
実力をつけたかったら練習あるのみです。
そういったメリットのない雑念をすべて捨て去り、
相手に合わせてみませんか?
自分のことばかり考えてしまい、相手を感じようとすることを忘れてしまっているのです。
私はいつも冗談のように「思いやりが大切」と言いますが、
相手を感じようとすることが太極拳で一番大事なことなんです。
そのように心を切り替えれば、自分の推手が
ハリがあり、柔らかい推手に変わって行くでしょう。