当会で行っている鬆身法(しょうしんほう)は体をゆるめたり、姿勢を整えたり、呼吸を整えたり、気血の巡りを良くしたり様々な効果があるが、気功だけならまだしも太極拳を行う上では十分でない部分がある。
だから、当会では鬆身法(抜筋骨)を行う前に、かるい柔軟運動を行っている。
下から、足首、アキレス腱、膝、ハムストリングス筋、股関節、大腰筋、腰椎、肩、三角筋、大胸筋、肘、手首、頸椎、などなど。
これら体全身の関節と筋肉をほぐすことが目的だ。
逆にこれを行わないで太極拳を始めると故障の原因になるし、実際、私もそれで足首や膝を痛めたことがある。
まあ、それは競技用太極拳の練習中のことだが。
当会で行っている伝統太極拳では競技用太極拳のように激しい体の使い方はしない。
アクロバッティングな太極拳をするためではなく、美容、健康、護身、或いは三昧(さんまい)に到達するための太極拳だ。
いずれも練習時間90分の中に、これら柔軟体操、鬆身法、立禅気功、太極気功、操手、太極基本功、歩法練習、型の練習、技の用法などふんだんに内容を詰め込んでいる。
まるで幕の内弁当のようだ。(笑)
私自身もそうだが、会員さんからもいつも時間が経つのが早いと言われる。
なにしろ90分ではぜんぜん足りないことを、濃縮してやっているから。
因みにこれだけのことをやる理由は、何かに特化した太極拳というより、どんな見方でも、どんなアプローチでも対応できる太極拳を目指したいからだ。
美容目的でも、健康目的でも、表演目的でも、護身のためでも、瞑想のためでもなんでも。
私自身が全部好きだから。
どうせやるなら、太極拳を2倍3倍に楽しんでしまえという感じだ。