2016年5月14日土曜日

なかなか上達しなくていい?

ほとんどの会員さんから言われます。
「なかなか上達しません」と。

そして、私は答えます。
「それでいいんです」と。

多分今までいろいろ習ってきた感覚で、
なぜ太極拳はなかなか上達しないのか不思議に思うのでしょう。

それで「自分は頭が悪くなった」とか
「覚えが悪い」と思い込んでしまうようです。

極端な例では、自分が認知症になったと思い込んでいる会員さんも。
もちろん私はすぐさま否定します。

ハッキリ申し上げて、太極拳はすぐにはものにならないのです。
1年2年そこらでものになるものではないのです。
だからこそおもしろいのです。

どんなにおいしそうなものでも食べてしまえば終わりです。

ですが、太極拳の場合は掘れば掘るほど宝がたくさん出てきます。
掘る作業は大変かもしれませんが、深く掘れば掘るほど宝の価値が大きくなります。

そのためにも地味な練習をコツコツ毎日積み上げていきます。

当会が目指す太極拳は健康を得ながら護身術を身につけ、
最終的には自然(宇宙)と同化し、自分の存在が消える感覚を得ることです。

そこは不安も恐れも全くない世界。
ただただ無限の豊かさを感じる世界です。

自分の体がやさしい気に包み込まれ、
今までに感じたことのないような安心感を与えてくれます。

太極拳を表演として人様に披露するのもいいでしょう。
自分自身も楽しめるし、人に感動を与えます。

しかし、当会では表演はプロセスであり到達点ではありません。
もっともっと素晴らしい世界なのです。