先日の日曜日、第三回目の入門形意拳の部を行った。
前回までは三体式、歩法、劈拳までの内容だったが、今回は鑚拳と崩拳の練習も行った。
皆さんとても真剣に取り組まれいつもの空気とは明らかに違った。
形意拳もまた禅。
同じ動作を何度も何度も繰り返すので忘れることがないし、無心で打つことが出来るのが形意の最大の特徴。
複雑な表演用套路では決して得られないハイな状態に入ることができる。
さて、当会で練習している河北派の形意拳。
先日稽古前にお話ししようと思っていたのだが、話をするより体を動かした方が良いと思い詳しい話は割愛した。
私が伝えたかったことは、形意拳はとても低燃費であること。
他の中国武術は走ったり跳んだり回ったり、とにかく激しい動きが多い中、形意拳は「これで本当に人を倒すことが出来るのか?」というほどシンプルかつ静かな拳法。
なぜ動きが小さいか?
それは内功を練り気を以て打つから激しく動き回る必要がないのだ。
先程も練習場で、6つの套路を何度も繰り返し練習した。
1分程のインターバルを挟みながら約2時間ほぼぶっ通しで練習。
しかし、全く息が切れることがない。
なのにじんわりいい汗をかく。
ほどよい疲労感が心地いい。
丁度いい運動をしたような感じだ。
形意拳は力学的にも非常に科学的で合理的な拳法。
それに気功の要素が含まれているから、筋力をほどんど必要としない。
意をもって打つ。
だから息切れしない。
心拍数が上がり酸欠になることもない。
酸欠にならないから常に脳と体全身に新鮮な酸素が送り込まれる。
だから、ふらつくこともなく常に気をしっかり持つことができる。
形意拳はいわば武術のハイブリッドカーのような感じ。
体力の消耗は最小限なのに、一打必倒と言われる程のパワーを出すことが出来る。
これほど低燃費な拳法は他にないのではなかろうか。