2016年12月13日火曜日

棍を始めた理由

私が棍を始めた理由はやはり孫悟空だろうか。(笑)

長い棒を自在に操ってる姿はかなり惹かれるものがあった。

私は剣道もしていたことがあるが、
同じ道場の女性が稽古していた薙刀に憧れたりもした。
長い棒をしなやかに操り、それが魅力的に見えた。

短い棒の方が確かに実用的と言えば実用的だ。
カサや杖、ステッキなどがそのまま護身用の武器になる。

しかし棍の歴史は古く、原始時代から狩猟や戦のために使われていたのだそう。
要するに人類が誕生した時から棍は存在するということになる。

そして石器時代になると、棍の先に尖った石を括りつけ槍とした。

確かに獲物を捕らえようと思えば、短い棒より長い棒の方が遠距離操作できる。
こんなことは知識がなくとも、誰でもすぐに思いつきそうなことだ。

いずれも実際、棍を始めてみると想像以上に楽しい。

まずは基本中の基本である劈棍(へきこん)
真っ直ぐに立てた棍を単に打ち下ろすだけ。

この単調な動きを何度も何度も繰り返し行う。
これがすこぶる楽しい。
何度でもやりたくなる。

コツとしては振り下ろした時に棍の先である棍梢(こんしょう)がぶれないようにすること。
ブンと振り下ろしてピタリと止める。
最初はこれがなかなか難しい。
しかし繰り返し練習を行っていると、ピタリと止められるようになる。

他にもいろいろな打ち方があるが、どれも楽しい。

私が行う棍は形意棍。
元々形意拳は棍から生まれた拳法だという説がある。
形意棍を始めてみると、確かに頷けるものがある。

形意拳は内家拳では最強の拳法と言われるが、
それは刀も剣も棍もすべてそうだと思う。

形意拳の歩法と棍の動作が組み合わさって、棍に大きな力が発生する。
決して腕の筋力で生み出した力ではなく、
地球の力を最大限に使う。

形意棍は棍術のような跳躍動作などの派手な動きはない。
至ってシンプル。

しかし、棍梢に伝わる力を感じる時、この形意棍の力強さを実感する。
パワーを感じる瞬間と言おうか。

今度の日曜日に基本棍法練習会なるイベントを行う。
ここではその基本的な動作を繰り返し練習しようと思う。

棍は腕で操作するのではない。
体全身を使う。
棍の練習を行っているとすぐに夢中になれ、ついつい時間が経つのを忘れてしまう。

明らかに太極拳とは違った楽しさがあり、
やり終えた後、妙にスッキリし、ストレスも吹っ飛ぶ。

外の温度は今5度前後。
それでも外で棍の練習をしているといい汗をかく。
実に気持ちいい。