私が太極拳を始めたばかりの頃、様々な疑問にぶつかった。
そしてそのことを師に尋ねると
返ってくる答えは大概決まってこうだった。
「なんでもいいんだよ」
私は師のこういうアバウトなところが好きだった。
(今もだが)
難しい質問に対して返ってくる返答は
難しい答えではなく、その真逆だった。
私は31歳の時から独立事業主となり、多くの人材を育成してきた。
伸びて行く人もいればそうでない人もいた。
そしてそれぞれ共通することがある。
伸びる人の共通点。
それは素直さ。
すぐに実行に移す。
なにも考えてない。
とにかく、やってみよう!精神。
逆に伸びない人の共通点。
考えてばかりでなかなか実行に移さない。
これは太極拳にも共通することだと思う。
私は立禅の時いつも言うのだが、
「頭を空に」と。
人間は考える生き物だが、
人が考えている時は過去のデータを参照している。
しかしどうだろう?
新しいことをやろうとしているのに過去のデータが参考になるだろうか?
今からやろうとしていることは、やってみなくてはわからないこと。
未知のことをやろうとしてるのに経験を元に考えても無駄なのだ。
というより無駄であることに気付いて欲しい。
もう、考えるのはよそう。
考えたって答えなんか出やしない。
とにかく何度も何度も繰り返し練習する。
それしかない。
繰り返し練習しているとそのうち気づきが得られる。
自分がまだ経験してない未知の知識を得ることができる。
それには練習しかない。
「なんでもいい」
の意味は
「なんでもいいから練習しなさい」という意味なんだと思った。