2017年8月18日金曜日

闘えない太極拳?!

某SNSのある投稿を見て私はショックを受けてしまった。

そのタイトルが
西洋格闘技に20秒で惨敗した中国伝統武術というもの。

西洋格闘技とはいわゆるボクシングスタイルの格闘家で、
中国伝統武術とは太極拳武術家。

結果は西洋格闘家の圧勝で、太極拳武術家はわずか20秒でTKO

格闘家は武術家に対し先制の左ジャブから始まり隙を見てすかさず右フック、
その後連続パンチを浴びせ、倒れた武術家の頭部を更に連打。
あまりにも呆気ない勝負で、見ていて胸が痛くなった。

武術家は頭部から出血したらしいが映像ではよく確認できなかった。
いずれも深刻なダメージを受けなくて良かった。

私がこの試合に対し思ったことは、西洋格闘技であればグローブを着用すべきだと。
素手で後頭部を連打すること自体下手をすれば命に関わる。
一方、太極拳武術家はグローブを着用することは出来ない。
掌を多用する太極拳ではグローブを着用してしまうと太極拳のほとんどの技が使えなくなってしまう。

というより、それ以前にこの試合そのものが無意味であると言いたい。

そもそも太極拳は格闘技ではない。
闘うための武術ではないと私は認識している。

内乱が多かった中国で武装した敵から自分の身や家族の身を守るために生まれた護身術である。
決して試合会場で闘うことを目的としてして生まれた武術ではなく、
自分の命を守るために、敵を戦闘不能状態まで追いやることが目的である。

それ故に狙うところは
眼球、コメカミ、後頭部、耳、喉、心臓、胃、肝臓、腎臓、膀胱、脇腹、金的、肘、膝等を攻撃し瞬時に敵を戦闘不能状態にする。

眼球への攻撃は視力を奪い、耳への攻撃は聴力を奪う。
喉には頸動脈や脊髄がある部位であり、ここを攻撃すると呼吸障害や脳の機能に障害を与え、失神だけでは済まない深刻なダメージを与える。

心臓への攻撃は心機能停止に至らせたり、胸骨陥没により心臓を破壊する。
他の内臓への攻撃は気を打ち込み内部破裂させるので、出血具合によっては死に至る。

関節への攻撃は肘や膝を折りこれもまた戦闘不能状態にする。
又、ある時は指先で点穴を付き、やはり敵を身動きできない状態にする。

太極拳は見た目柔らかく美しい舞踊のように見えるが、
綿の中に針を隠すと例えられる通りその技は残酷極まりない。
しかしそうでもしなければこちらが殺されてしまうのだ。

よって、太極拳はルールある格闘技の場で使える技は皆無に近い。
だから太極拳は決して闘ってはいけない。

前にもブログで取り上げたが、もし暴漢等に襲われそうになったら、逃げるが一番。
護身術を使うのは最後の手段であり、
太極拳の目的は危険をいち早く察知するための聴勁を鍛えることにある。

いずれも、私としては武術家は格闘家と試合をして欲しくない。
武術は強さを競うために生まれたのではなく
生死のかかった状況で自分の身を守るために生まれたものなのだから。