今日はKさんのプライベートレッスンの指導を行った。
「私、納得しないと先にすすめないタイプなんです」とご本人。
それはそれでとても良いことだと思う。
私もかつてそうだった。
太極拳の型を見ているとまるで踊っているかのようにか見えない。
いつ?どこで?どんな技を使っているのがさっぱりわからない。
しかし先生に技をかけてもらうと一瞬で自分の体が宙を舞い床に叩きつけられる。
このギャップこそ、私が太極拳に最も興味を抱いた点だ。
それに、技を見せないのが太極拳の技であることも後にわかった。
そんなKさんを指導して間、私は質問攻めに。
「これはどういう技なんですか?」
「これはどこを打ってるんですか?」
などなど。
それに対し私は、
「この両拳で相手が突き出した腕の骨を砕き、
右拳で肋骨を折り、
左指先で相手の目か喉を突いて、
両掌から気を発射し心臓を破裂させ、
最後にそのまま吹っ飛ばす・・」
周りにいた人たちはこんな会話を聞いてどう思っていただろう。
私は指導に夢中で聞かれたことに答えただけなのだが
こんな残酷な話を平然してしまってる自分を後になって気づいた。
いずれも、太極拳には様々な技が含まれている。
日本武道でいう、空手、柔道、剣道、合気道、相撲
これらすべての要素が太極拳に入っている。
これを8つに整理したものが、太極八法と言われるもの。
掤、履、㨈、按、採、挒、肘、靠
(ほう、り、せい、あん、さい、れつ、ちゅう、こう)
掤で相手の攻撃をさばき
履で崩す
㨈で打ち込み
按で飛ばす
採で相手を掴み
挒で相手の動きを制し
肘で骨や関節に打撃を与え
靠で体当たりする
先程あげた日本武道の攻撃方法がすべて入っている。
更に太極拳の練習を行う前には必ず気功を行う。
気を練ることを練功というが、これによって力学上の技だけではなく
気を発射するという技が加わる。
太極八法の技にはまたそれを防御する技もある。
力学対力学の戦いになるが、その選択を瞬時に行わなければならない。
これは頭から指令を送っていたのでは間に合わない。
だからこそ普段からしっかり体を鍛え技を練る。
それによって頭ではなく勝手に動く体をつくりあげていく。
理屈ではなく、練習あるのみということになる。
しかし気を発射することに関しては受ける側は防御する術がない。
気は肉体だろうがコンクリートだろうが金属であろうがなんでも貫通してしまう。
これを防ぐ方法なないのだろうか?
氣による攻撃を防ぐ方法は・・
それもまた氣である。
また、氣で負ったダメージを治すのも氣しかないと言われる。
いわば気功によって
攻撃だけではなく防御力をも身につけることができる。
更に気功治療にも使え、
気功により免疫力、治癒力が上がるので怪我だけでなくあらゆる病気をも治してしまう。
先程私は太極拳に興味を持った理由は、見た目の華やかさとは裏腹に恐ろしい技が隠されている点と述べたが、
今、私が伝統太極拳を広めようとしている理由は、上記のことが理由である。
病をこの世から完全に失くすことは出来なくとも
病を未然に防ぐ方法、病を早期に見つけ治す方法を皆が身につければ、
人はもっともっと人生を楽しめると思うからだ。
これこそが私が生まれて30年間病で苦しんできた理由であり
健康の尊さを知ることができた私の役目だと思っている。