2017年11月1日水曜日

疲れを知らない太極拳

昨夜の稽古の時、
60代のHさんがとても嬉しそうにこんなことを話してくれた。

「今日、山の辺の道を歩いてきました」
「20キロ歩きましたが全然疲れなかったし、こうして今日も稽古に来てます」
「太極拳やっぱりすごいです」と。

こういう話を聞かせてもらえると、
4年半前この会を立ち上げて本当に良かったと思える。

思えば私も太極拳を始める前、長年の在宅ビジネスでめっきり体力が衰え
20キロどころか、数百メートル歩いただけでも息切れし、
しかも足が立たなくなりその場にしゃがみこんでいた。

一日平均15時間パソコンの前に座りずっと仕事。
現実と仮想の区別さえつかなくなりそうになっており
毎日起きる酷い頭痛、腰痛、肩こり。

当時30代だった私は60代のHさんに体力で完全に負けていたことになる。

いずれもこのままでは良くないと思い始めた太極拳。
それからみるみる体力を取り戻した。
そして精神力も上がってきた。

頭痛や肩こりからも解放され、老化しまくっていた私の体は若さを取り戻した。
ビジネスも上向きになりサラ金の借金生活から、日本と海外の二重生活が出来るまでに。

それから2年後には幼い頃からの夢だった飛行機の操縦をバンクーバーの空で体験したりもした。
自分で握る操縦桿で空を飛ぶ。
小学生の頃の夢が30年以上経って叶った。

太極拳が私に与えてくれたものは健康だけではない。
単に風邪をひかなくなったとか、そういうレベルではない。
ここに書きだしたらキリがないぐらいのものを得た。

だから、太極拳によって「変わった」という話を聞かされるのはすごく嬉しい。

その一方、昨日もある人から辞めるとの連絡。
無論辞めるのは本人の自由だが、
太極拳で手に入るものを知らないから簡単に辞めることができるのだと思う。

健康、お金、時間、友達、強さ、心のゆとり・・
そして太極拳でしか得られない空間との一体感を得られるスピリチュアルな世界。

太極拳をラジオ体操感覚でおこなうのもよし。
しかし、太極拳で得られるものはそんなものではない。
普通の人生では決して得られない世界に入ることができる。

これまでと見える世界が変わって来る。
悪いことも辛いことも風のように去って行き、次々と起こる輝かしい未来。
あらゆる柵から解放され、自分の歩む人生が一筋の光のように見えてくる。

これこそが禅に求められる世界なんだと思う。

辞めるのは自由だが、大きな財産を目の前にし簡単に諦めてしまって良いのか?
「人生なんてこんなもん」なんて思ったら終わり。

一度きりしかない人生、
まだ見ぬ世界を知るため
登れるところまで登りつめたいと思う。