ふと思ったのだが、
欧米人が制定拳を行っているをほとんどみたことがない。
一方、伝統拳では白人や黒人などの外国人が多い。
これは太極拳に限らず日本の伝統武道に関しても同じことが言える。
(これはあくまでも私の経験上であり決して全てではない)
アメリカは自由の国。
自由を愛するが故に常にクリエイティブなことにチャレンジする。
一方、ヨーロッパはその国々を見ればわかるとおり
歴史や伝統を重んじる民族(国)が集まっている。
こう考えると、これらの国々の人々に制定拳が合わないように感じるのは気のせいだろうか?
そもそも
制定拳のルーツは?
なぜ制定権が生まれた?
その理由は?
私が知る限り制定拳の名人や達人というのを聞いたことがない。
制定拳で天下を取ったとい話も聞いたことがない。
それもそのはず、制定拳は護身武術としてつくられたものではないからだ。
江戸時代、武士が国を治めていた時代は終わり刀を取り上げられ、
その後剣術、剣道として伝統が受け継がれた。
太極拳もまた、文化大革命の時に武術の要素を省き健康体操として世に広めるため政府の指令によってつくられた。
しかしだ、
伝統武術を伝えて行こうという動きは人目には触れなくとも確実に受け継がれようとしている。
YouTubeなどで見られる武術はごく一部で、そのほとんどが表面的なものに過ぎず、私の知る限り伝統を受け継ぎながらも更に進化させるべく修行を積む者は決して少なくない。
いずれも日本は欧米と比べるとそのほとんどが制定拳の武術愛好家。
太極拳発祥の地である中国も同じく、かつて名手だった著名な武術家も代を受け継ぐごとに表演武術に成り代わってきているように思う。
太極拳に対する一般的なイメージは「健康体操」か或いは「踊り」 と思っている人がほとんど。
どちらでも構わない。
しかしそれはあくまでも太極拳の副産物であり主なるものではない。
太極拳の目的は己を鍛えることにあると思うから。
人間が病気にならず健康でいられるのは、常に体内で免疫細胞が病原菌と闘っているから。
その闘いに敗れると、それを病気や死と言い、逆に勝てば健康と言う。
いわゆる闘わずして生き残る道はないということ。
だから武術として行う太極拳こそが最強の健康法であると私は信じるし、
その証拠としてこれまで数々奇跡的な体験をしてきた。
今後日本はどうなるのだろう?
制定拳を行うのは、太極拳を始める入門としては大変優れていると思う。
そして次のステップとして最強の健康法を手に入れるためにも伝統太極拳を始めて欲しいと思う。
人間は医療の進歩と共に、人間自身も進化している。
あらゆる病原菌に対する抗体を持ち、犠牲者を出しながらも進化している。
ここまで私が話した理由、
察して頂けるだろうか?
武術は敵から自分や家族を守るために生まれたが、
自分自身と闘うことでも武術は大変優れる。
だから、
少なかろうが、
受けいれられなかろうが、
有名でなかろうが、
元来の武術としての太極拳を伝えて行きたいと思っている。