前回の続きです。
「大事が見えてくるひとこと太極拳」の実例をあげます。
例えば「ピンチがチャンス」
よく言われる言葉です。
しかし太極拳ではその逆もあります。
「チャンスはピンチ」
解る方には解ると思いますが、
初心者にはなんのことだか解りませんね。
いずれも、これにはかなり深い意味があります。
もしこの言葉を専門的に言えばこんな風になるのでしょうか。
推手の時、相手の攻めを化勁によって捌き、その後拿勁を用い発勁を行う。
相手はそれを走勁と引勁によって引進落空させ、その後直ちに強い発勁に転じてくる。
それを聴勁によって化勁を用い突きを捌くが、相手の掤勁によって軸をとられ崩れることとなる。
どうでしょう?
シーンを連想しながら用語を使って書いてみました。
専門書を読むとこんな風に書いてあると思います。
仕方ありません。
文章で説明しようとするとこのように書くしか方法がありません。
これを読み解くのも楽しいでしょうが、
実践で行うとものの3秒で終わってしまいます。
ひとことで言えば、「油断するな」ということになり、
それを「チャンスはピンチ」と表しました。
そもそも専門書の言葉通りを頭で考えながら実践しても、隙をつくるだけです。
考えること自体が隙を生み出しますから。
何度も何度も繰り返し実践で練習し、こういうことを肌で感じ体で覚えて行きます。
そして失敗の度に「チャンスはピンチ」ということを覚えていくでしょう。
これはあくまでも一例ですが、
こんなふうにたったひとことでも太極拳の秘訣を表すことはできます。
現在、手元のネタ帳には170近くのストックがありますが、
目下の目標は1000であり、次に1万を目指そうと思っています。
繰り返し伝えますが、
引用や借り物の言葉ではありません。
その証拠に専門用語をほとんど使っていません。
実体験によって得られた感覚を、わかりやすい言葉で伝えています。
専門用語を使わなくとも専門的な内容に傾くこともありますが、
その都度、太極拳を知らない人にも解るような言葉になるようなるべく軌道修正しながら配信していきます。
そもそも太極拳の秘訣は人生において生き方に通じるところがたくさんありますから。
太極拳を全く知らない方にも楽しんで頂ければ幸いです。