2013年5月8日水曜日

あえて大架式から始める

サークルを立ち上げる前、どの太極拳から始めようか少し迷った。
といっても、伝統楊式太極拳か九十九式太極拳かどちらかといった感じだが。

私が初めて行った教室では、伝統楊式太極拳を大架、九十九式太極拳を小架と呼んでいた。
確かに大架は大きくのびのびとしたイメージで、小架は小ぶりで緻密なイメージだ。

因みに楊式太極拳の基本歩形はいわゆる弓歩(きゅうほ)、
一方、九十九式は中定歩(ちゅうていほ)と言われる形意拳や八卦掌で用いられる歩形だ。

弓歩は前足が実(じつ)になり、後ろ足が虚(きょ)になる。
比率は7:3ぐらい。
中定歩は逆に前足が虚になり、後足が実になる。
比率は4:6ぐらい。

因みに“実”は体重の掛かっている方の脚で、軸足ともなる。
一方、“虚”はその支えになる脚、或いは次の動作に移るための準備状態にある脚を示す。
太極拳ではこの“実”と“虚”をはっきり分けなければいけない。
これを分虚実(ぶんきょじつ)という。

一応、勉強してます。(笑)

私は大架式から始めた。
今思ってもそれが良かったと思うし、サークル活動も大架から始めることにした。

理由としては、動きがシンプルで覚えやすく、しかも実と虚がハッキリしているから、それを体得しやすい。
それに太極拳はまず脚から作っていかなくてはいけないが、大架の場合、脚力やバランス感覚を養うにはうってつけだ。
その分、最初は腿や膝が痛くなるが、それは脚力を養うための通過点であり、慣れてくればラクラクと動けるようになる。

もし、これを労わってばかりいたら、いつまでたっても脚力は養われないし、土台となる脚がつくられなければ、肩や腕に余分な力が入ってしまう。
脚力のなさを上体でかばおうとしてしまい、手の動作が固くなり、おまけに尻まで出てくる。
こうなると気が沈むどころか上にあがってしまい、いつまでたってもフラフラしながらの演武になってしまう。

そもそも人間は使わないものは退化するしくみになっている。
頭を使わなければ能力が低下し、体を動かさなければ体力が低下する。
だから、脚を使わなければ脚が退化してしまうのだ。(私はデスクワークを始めてからこれを痛感した)

スカイツリーが東日本大震災でも倒れなかったのは基礎と土台がしっかりしているからだ。
野球でもボクシングでも、まずは走ることを徹底的に練習する。
脚をつくらなければ、力の抜けた良いプレーはできない。

だから、太極拳を太極拳として習得するなら大架からと。