2013年6月2日日曜日

立つ、練る、発する

最近仲良くさせて頂いている中国武術仲間の方と近頃いろいろと話が盛り上がっているのだが、
套路(型)だけをただのんべんたらりとやっていても意味がないですよねと。

でも、誰もが最初にやりたがるのは套路だと思う。
カッコイイし、きれいだし。(笑)

でも、それだけでは実際に内面を鍛えることにはならないし、実戦ではほとんど役に立たないだろう。

表演や試合にしても、わずか5分程度の演武をするだけのために半年、一年、いやそれ以上一生懸命練習する。
それと同じく、一生に一度あるかどうかわからない災難に襲われた時のために、一生を掛けて鍛錬する。

しかし、窮地に追い込まれた場面でとっさに日頃の成果が出るだろうか?
やはり型だけ練習していても無理だと思う。

カンフー映画を観ていると、様々な技が繰り出され、観ているものを楽しませてくれるが、実戦は決してそんな華やかなものではなく、どちらかといえば一発勝負になるだろう。
要するに、相手の攻撃を瞬時に察知し、打たれる前に一撃で倒すことが必勝法だと。
いや、それが最高の護身術だと思う。

そのために私自身、立つこと、練ること、発することを毎日練習しているし、サークルでも同じことを行っている。
初心者にとっては、たいくつでつまらない練習だと思うけど、せっかく武術を習うわけだから、健康だけでなく強さと丈夫さも手に入れて欲しいと。

仮に技が出なくとも、せめて内面を鍛えることで打たれ強い体になって欲しいと思うし
腹に一発パンチを食らっても、すぐに立つことが出来れば逃げることだって出来る。

殺人事件のニュースを見ていると、その時なんとか回避する方法はなかっただろうかといつも考えてしまう。
だから楽しみながらやっている太極拳が実は護身としても備わっていたという形にできればなと思う。
一方的にやられ、なぶり殺されてしまうのはあまりにも悲しい。

その中国武術仲間の方は武術歴37年の方で様々な武術に精通しておられ、しかも本場台湾で有名な師につき本格的に八極拳を習っておられる。
先週、私のサークルに遊びに来られたのだが、「本来の中国拳法の指導法で、中身の濃い内容だ」とのお褒めの言葉を頂いた。

初めて間もないサークルで毎回試行錯誤しながらやっているが、大先輩にそのようなお言葉を頂くことは大変励みになり、やはり嬉しい。