2013年6月7日金曜日

前傾派と直立派

ある老師は上体を前傾させ攻撃すべきだと。
またある老師は上体は常に直立させるべきだと。

どっちが正しいのだろう?

実は昨夜のサークルで、ある会員さんがこう言った。
「前傾した方が腰に負担がかからないですよね」と。

確かにそうだ。(笑)
低い姿勢での弓歩の時、上体を直立させようとすると腰をゆるめることが難しくなり、
むしろ腰が突っ張った状態になる。

この解決策としては、歩幅を狭くし、腰の位置を高くする。
すると、ゆったりと腰をゆるめることが出来る。

そして、その後、
自分の中でイロイロ考えた結果、どちらも一長一短だということが解った。

前傾させる姿勢は確かに力学上、打撃力が増す。
上体をまっすぐにするより前に倒した方が突き出そうとする力がより強く働く。
わずかな力で相手を吹っ飛ばすには都合がいい。

が、この姿勢は前膝にかなりの負荷がかかる。
それに、もし相手に手をとられ引っ張られてしまったらカンタンに前につんのめってしまう。

逆に上体をまっすぐにするメリットだが、まず演武的に美しく見えるというメリット。
ところが、それだけではないことが最近わかった。

上体がまっすぐであれば背骨にとって最も負荷のかかっていない状態であり、
しかも体を地に沈めるのに都合がいい。
逆に前傾姿勢では体を沈めることが出来ない。

但し、この場合、沈むための鍛錬が必要であり、しかも力学上、不利な姿勢なので頸力が必要となってくる。
“沈む”と“発する”が同時に働くわけだ。(自分は出来ないが・・)

前者は今日からでも出来るが、後者は長年の鍛錬を積まなければ実戦での実用化は難しいだろう。

つまるところ、きっと、どちらも出来るようになるのがいいんだろうな。