2016年7月18日月曜日

受けない打たない

私が師から教わった、楊式太極拳は、「受けない打たない」だ。
それを体感した時、これだ!と思った。

私は身長171センチ、
体重は55キロないと思う。
いわゆる痩せ過ぎ体型。

体重55キロの人間が体重200キロ以上の人に勝てるだろうか?
或いはバーベル50キロしか持ち上げられない人間が250キロ持ち上げられる人に勝てるだろうか?
物理的にはどう考えても不利。

前にも少しブログで触れたことがあるかもしれないが、
必ずしも自分の好きな師の戦法が自分に適しているとは限らない。
だから最終的には自分にあった技法を研究していかねばならないだろう。

私が楊式太極拳を選んだのは、これら体格の差や筋力の差が全く関係ないからだ。

世の中見渡してどうだろう?
関取やプロレスラーのような体格の持主はそうそういない。
電車に乗っても一車両の中にそのような人がいない確率の方が圧倒的に高い。

ほとんどの人が平均体重、平均身長。
特に日本人は世界的に見ても身長が低いし痩せた人が多い。

楊式太極拳なら小柄な女性やお年寄りでも難なく始められ、
しかも内功を練ることで、丈夫なカラダを身につけることが出来る。
しかも筋力ではなく、見えない力である勁力を身につけることができる。

一見、華奢で弱そうな人物がひとたび太極拳モードに入ると一変して強くなるなんてカッコイイではないか。

師匠の体型はガッシリタイプではなくどちらかといえば小柄。

私が打ってかかると、さっと身をかわされ、その瞬間手が触れるのだが
当たる感覚がなく、気が付けば自分の体を自由に操られている。
この感覚が強烈にカッコイイ。

推手を行っても、かつての師匠の腕はとても重かったが、今はその逆。
かといって軽いのでもない。
これ以上のことは奥義に触れることになると思うので割愛するが、
私の言葉で言うなら、気を自在に操っているという感じだろうか。

当会の触れ込みは「大地に根付き、天を舞う」としているが
まさにそのような感じ。

***

昨日、近畿大会を終え帰ってきたが、
大会で行う自分の動きは今話ししたソレではない。
見えない世界を見せる世界で行っても無意味だからだ。

どちらも素晴らしいと思うが、私は見えない世界を徹底的に掘り下げて行きたい。

ようやく私は本格的な修行に入れる。