2016年11月26日土曜日

推手の上達法

推手の上達法というタイトルにしたが、
私はそれを具体的に教わったことがない。

あるとすれば、
上級者にたくさん崩されることだろうか。

そして、崩されたことに感謝すること。

私は師に崩されたり飛ばされたりするため
武者修行のため約550キロ先まで稽古に通っている。
少なくとも私は10年間ずっと崩され続けてきた。

崩されることにより師は何が良くないかを教えてくださる。
だから崩されなければ推手は決して上達できない。

そもそも勝つことだけを考えるなら、
内家拳には向かないと思う。

内家拳修行者は禅によって*煩悩(ぼんのう)を捨てる修行をする。
勝とうと思うこと事態が煩悩なのだ。

*煩悩=心をかきみだす妄念や欲望のこと

崩されたことに腹を立てない。
対抗しようとしない。

そもそも、この精神状態そのものが既に負けている。

こんな気持ちで推手をしたら、力任せの推手になってしまい、
もはやそれは推手とは言わない。

もし上級者相手に腹を立て思いきり打ちこんでみたらわかる。
気が付けば自分が崩され飛ばされることになるだろう。

こんなことをいつも言ってるのだが
未だに腹を立て対抗しようとする方がおられる。

私は先日、稽古中に冗談のように「仏の心で」と言ってみた。
皆笑っていたが、実は冗談ではない。

仏様は人様に腹を立てたり、仕返しをしようとしたりなどなさらない。
あるがままに受け入れる。
これこそが仏の心。

太極拳を修行すること
是即ち心を修行すること。