最近どういうことか?
これまで実績作りのために頑張ってきた試合も引退し、
そして表演も当分休み、
15年前私に楊式太極拳の素晴らしさを教えてくださった師につき
本格的な武術修行を行おうとしていた矢先である。
交通事故から約5日で肺の穴は塞がり、
漏れていた空気も吸収され、
そして7日で骨折した肋骨の痛みが消え、
全身血だらけだった体もすっかり傷が塞がりきれいになった。
左太腿左側面が血種となり、広範囲にわたってどす黒い真紫になっていたが、
それさえも今はほぼきれいな肌色に戻った。
当時私は痛みに耐えながらも指導に向かおうとしていたが、
会員さん達が「しっかり休んでください。自分たちだけでやってみます」
と言うその言葉に私は救われた。
自宅療養中も「早く復帰したい」とそのことばかり考えていた。
そして復帰したら今まで以上に頑張ろうと。
しかしどうしたことか・・ かつての力が出ない。
昨夜、会員さん達の前でもお話したが、
「まだ本調子ではないのでその点理解して欲しい」と。
皆納得しれくれた。
体はもうほとんど回復しているのだが、
どうも心がついてこない。
心が不安定だから套路を行っていても普段絶対やらないような間違いをしたり、
普段絶対崩さないようなところでバランスを崩したり。
なにかやっぱりおかしい。
今、私はまさに15年前の弱っていた自分に舞い戻ってしまったようだ。
10日間の自宅療養は確かに私にとって必要だったし、
お陰で早く回復させることができた。
しかし、気力がまだ上がってこない。
そして、私が今感じていることは「辛いことをしたい」だ。
確かに、今年始めってから、新クラスを設けたり、様々なイベントを試みたり、
当会初めての日帰り合宿も行った。
ようやく一仕事終えたと思ったら次々と新たな仕事に着手しなければならない。
空いた時間に夜な夜なクタクタになるまでポスティングを行ったり、
実績作りたのために今年最後の試合への挑戦もあった。
もう本当に息つく暇もなかった。
いずれも気力が落ちてしまっているその自分に対し
更に気が落ちてしまうと言うマイナスのスパイラル。
そして、先程導かれるように
今年のNARAフェスティバルの後半動画を改めて観た。
今の自分の状態からは考えられない・・
なんというか・・
動画を観て「凄いな」と感じてしまった。
そして動画に写っている皆の笑顔を見ていると、
いろいろあったが、すべてを許そうという気持ちになった。
すべて水に流して、また一からと。
そうすると、不思議なことに、気持ちがすぅーっと楽になった。
良くないこともあったが、良かったことはそれ以上にたくさんあった。
それでいいじゃないかと。
先日、部屋の中で距離にして6キロほど走圏で歩いた。
これもよかった。
なんとも言えない爽快感とパワーが入ってきた。
次は10キロに挑戦してみよう。
自閉気味で鬱だった15年前から私がパワフルに仕事が出来るようになったのは
太極拳で体を動かすようになってから。
体を動かす。
そしてすべてを許す。
これが今の自分にとって必要なことだと思った。