過去の記事を自分で読み返して、感じたこと。
なぜ、太極拳は見た目簡単そうなのに、イザやってみようとすると難しいのか?
今、わかった気がする。
情報量が多いからだ。
前にも述べたが、曲線を点で表そうとすると無数の点を描かなければならない。
点の数が少ないと滑らかな曲線にならないからだ。
直線なら始点と終点だけで済む。
コンピューターも同じく、直線の処理は得意だ。
しかし曲線は苦手。
曲線は膨大なデータを必要とするし、その結果、処理時間にも時間がかかる。
今、書いているこの文字(フォント)にしても、きれいな曲線ではなくすべて点(ドット)で構成されている。
昨日、久しぶりに快練(太極拳の技を早い動作で行う練習)をやってみた。
直線的な動きであれば、それなりにスピードも出せるしパワーも出せる。
が、曲線の動きはなかなかそのスピードが出せない。
ならどうすればいいか?
力を抜くこと。
力が入っていると美しい曲線にはならない。
技が決まる最後の最後まで力(筋力)を出してはいけない。
言い換えれば曲線の動きの中でパワーを溜め、技が決まるその瞬間にパワーを炸裂させる。
元プロボクサー、モハメド・アリの「蝶のように舞い蜂のように刺す」という言葉があるが、まさに太極拳にもぴったり当てはまる言葉だと思った。
太極拳は綿拳(めんけん)とも呼ばれる。
綿の中に針を隠すという意味からつけられた名称のようだが、これこそが本当の怖さのような気がする。
いずれも太極拳の技は非常に情報量が多い。
太極拳をやっている人は心身ともに元気だが、体を動かすだけでなく、ものすごく頭も使っていることになる。
つまり、ボケ防止につながるということだ。